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転職でうまくいく人と「また辞めたくなる人」の差

・転職をしたが、また「転職」が頭によぎり、モヤモヤとした思いを抱えている

・転職はしていないが何度か「会社辞めたい」と思ったことがある

 転職経験のあるなしにかかわらず、一度でも「このままこの会社にい続けていいんだろうか……」と思ったことのある人は少なくないでしょう。

 ただ、転職“だけ”がうまくいってもモヤモヤします。転職後の人生 “も” うまくいくためにはどうすればいいでしょうか? 

「会社辞めたい」と思っている人が、転職をきっかけに人生を好転させるために、感情的な本音を思考で整理する方法をまとめたベストセラー『「会社辞めたい」ループから抜け出そう! 転職後も武器になる思考法』(佐野創太著)よりお届けします。

『「会社辞めたい」ループから抜け出そう! 転職後も武器になる思考法』(サンマーク出版) 佐野創太
『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!
 転職後も武器になる思考法』

「会社辞めようかな」の奥にある気持ち

 今まで数多くの「会社辞めようかな」というぼんやりした悩みから具体的な転職相談まで乗ってきて、こういった真摯な想いをたくさんお聞きしました。

 胸を張れる仕事、尊敬し合える仲間、めりはりのある生活。

 あなたの「このまま今の会社にいていいんだろうか」「会社辞めようかな」「転職しようかな」というモヤモヤした思いの奥には、「〝転職後の人生そのもの〟を前に進めたい」という気持ちがあるのではないでしょうか。

転職しても何も変わらない人、転職して自分を好きになった人

 正直にお話ししますと、「会社辞めたい」というニーズに応えるなら「内定をとること」を目的にした方が手っ取り早いです。実際、多くの転職エージェントは「内定をとって転職してもらう」ことを目的にしています。

 しかし、「会社を辞めること」を一番の目的に転職活動した人が転職後しばらくして、こんな悩みを「また」抱えて相談にくるシーンを幾度となく見てきました。

「自分のやり方を押し付ける上司の考え方や価値観についていけません」

「この仕事をしていても成長できるとは思えないし、ずっとやりたいとも思えません」

「大変な仕事の割には給料が低くて、自分を安売りしているような気持ちになります」

 そして、仕事で感じるモヤモヤは、生活にも少しずつ忍び寄ってしまいます。

「休日に自己分析や自己投資をしてるのに〝このままでいいの?〟が止まりません」

「友人の転職や結婚報告のSNSを見ると、取り残されているような気になっちゃいます」

「寝る前にスマホをぼーっと眺めて〝早く寝ればよかった〟と後悔するのをやめたいです」

 この人たちは口を揃えてこう言います。

〝転職前と変わっていない気がします〟

 転職「だけ」うまくいった人は、転職前の不満がまた追いかけてくるかのようです。いわば、モヤモヤし続ける負のループにはまってしまっています。

 これが、「会社辞めたい」ループです。

 皮肉にも、「会社を辞める」を目的にするからこそ、「会社辞めたい」ループに陥ってしまうのです。

 一方で、転職後「も」うまくいく人は、転職前の不満から逃れ、スッキリする正のサイクルに入っていきます。

「新しい仕事の勉強が楽しいです。前職では終業後に仕事のことは考えないようにしていたのに、新しい職場では上司や同僚との会議で発言回数が増えました。転職前は『早く終われ』だったのに業務改善チームのリーダーに立候補しました。『会社が好き』なんて綺麗事だと思っていたのに」

 転職後「も」うまくいく人は、何より自分を転職前より好きになれている実感も持っています。

「大好きだったピアノの教室に通い直しています。3ヶ月前の休日は寝てばかりでした。自信と余裕ができてきたので、彼氏と今後のことを話し合えるようになっています。私にとっては家族は仕事以上に大切なものだとわかって働き方を変えたら、仕事も生活も楽しくなりました」

 転職後「も」うまくいった人はこのように話してくれます。

〝勇気を出して転職して、本当によかったです〟

 このように転職を成功させたとしても、転職「だけ」うまくいってモヤモヤしはじめて、「会社辞めたい」ループに陥る人と、転職後「も」うまくいってスッキリしている人にわかれます。

 それは、転職しても何も変わらない人と、転職して自分をより好きになることで人生が好転していく人、と言い換えられます。

 では、両者の違いはどこにあるのでしょうか?

 その違いは、転職活動に〝本音で挑んでいるかどうか〟です。

 自分の正直な気持ちにフタをしても、内定をとることはできます。頭のいい人ほど、ロジカルに話ができるので、本音を隠したまま内定はとることができます。

 しかし、仮に内定がとれて転職できたとしても、また「会社辞めようかな……」とモヤモヤしはじめてしまうのです。

面接官の心を動かし転職後も武器になる思考法とは?

 転職のサポートをしていて、度々聞かれるのが、

 みんな、どれくらい嘘ついてるんですか?

 という質問です。

 多かれ少なかれ、面接や書類で嘘をついたり、話を盛ったりする必要がある、と思っている人はいます。

 しかし、転職活動において、嘘はまったく必要ありません。

 むしろ、嘘をついたり、盛ったりすることが「会社辞めたい」ループの入り口だと言っても過言ではありません。

 こう応えると、

 じゃあ、素で挑めばいいんですか?

 本音をさらけ出せばいいんですか?

 と聞かれることがあります。

 答えは「否(いな)」です。

 たとえば、転職の面接でよく聞かれる質問に、「退職・転職理由」がありますが、正直に会社を辞めたい理由を本音で話すとなると、どうなるでしょうか?

「上司が嫌い」

「休みがもっとほしい」

「給料がもっとほしい」

 これが本音ではないでしょうか?

 みなさん人間ですから、こういった思いを抱くのは当たり前です。

 しかし、企業がこのように面接で発言した人に対して「この人材がほしい!」とならないのはみなさんも想像できるでしょう。だから

 やっぱり、ある程度、嘘つくしかないですよね?

 となるのです。

 嘘もいけない、本音をそのまま話してもダメ。

 では、どうすればいいのでしょうか。

 そこで、〝本音を磨く〟という作業が必要になってくるのです。

 本音と向き合い、本音を磨き、説得力のある自分になる。

 これは、「転職すること」を一番の目的にした転職エージェントは教えてくれません。

 また、〝本音磨き〟という作業は、思考の整理法と言えます。これは転職後も武器になりえる思考法なのです。

 本音はとても感情的なものです。

 あなたのことをよく知っている家族や友人なら、本音をそのまま話してもわかってくれるはずです。

 しかし、転職活動においてはそのままでは通用しません。感情的な本音と向き合い、整理し、他人に通じる言葉に磨き上げる必要があるのです。

<本稿は『「会社辞めたい」ループから抜け出そう! 転職後も武器になる思考法』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者】
佐野創太(さの・そうた)
日本初かつ唯一の「退職学®︎(resignology)」の研究家/生成AIを活用した情報発信のパートナー

1988年、静岡県浜松市生まれ、神奈川県横浜市育ち。慶應義塾大学法学部政治学科卒。
2012年、大手転職支援会社に新卒で入社し、転職エージェントとしてベンチャー企業から大手企業の採用と求職者の転職の支援までを行う。シンクタンクに転職するも1か月で早期退職。新卒で入社した企業に契約社員として出戻り、新規事業の責任者として求人サイトを立ち上げ、Webメディアの編集長に就任する。
介護離職を機に2017年に「退職学®︎」の研究家として独立。自身の「キャリアの落とし穴」にハマっていた経験と1200名以上のキャリア相談を通じて「退職後も声をかけられる最高の会社の辞め方」を体系化した。
2022年からは生成AIを活用して高品質の文章コンテンツを大量に高速でつくる情報発信のパートナーとしても活動。地方企業の商品や大手企業のサービス、オウンドメディアや経営者の情報発信にかかる人的コスト・時間的コスト・コミュニケーションコストを削減している。
著書は他に『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)がある。

公式HP:https://taishokugaku.com/profile/
X:https://twitter.com/taishokugaku
メルマガ「キャリアの休憩室」:https://taishokugaku.com/mailmagazine-sns/

『「会社辞めたい」ループから抜け出そう! 転職後も武器になる思考法』(サンマーク出版) 佐野創太

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