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「もらえるはずのお金」を逃がしてしまっている人に共通する考え方

 国からもらえる給付金や医療費などの免除、節税策――。

 気づかぬうちに本来は受けられていたお金の恩恵を逃してしまうことがあります。

 お金を守る方法は、人生のステージごとに意外と設けられています。まるで人生に隠されたボーナスステージにある宝箱のようですが、気付かなければゲットできません。 新刊『僕らを守るお金の教室』よりお届けします。

『僕らを守るお金の教室』

「2万人」がお金をもらい損ねた話

 国や地方自治体の支援は、お金防衛の強い味方。

 ところが、じつにもったいない話ですが、「払いすぎる(税金の特例の使い忘れなど)」「もらい損ねる(給付金の見逃し)」という悲劇が数多く起きています。

 平成28年度の文部科学省の調査によると、低所得世帯の私立高校生を対象にした奨学支援金で、約2万人もの受給漏れがあったとのこと。

 支援金は返済がいらず、税金もかかりません。そんなお得な支援金を保護者の手続き不備でもらえないとなれば、非常にもったいない話です。

 なぜこんなことが起きるかといえば、多くの支援制度は自分から情報を取りに行かないと存在を知りえず、かつ(複雑な)申請手続きが必要だから。制度そのものを知らなかったり、申請方法を理解していなかったりすると、受けられるはずだった支援を逃すことに……。

 このような状況に、「しっかり教えてくれない役所は不親切だ」「わかりにくい」「手続きが煩雑すぎる」と憤りを感じるかもしれません。

 でも、私が公務員だった頃を振り返って言えるのは、必要な人全員に情報を伝えるのは不可能ということ。

 私が勤めていた税務署では、毎年のように変わる税金のルールを説明するチラシを置いていました。国税庁のウェブサイトにも最新情報が掲載されています。最近は国税庁もSNSなどを活用して、広く情報を届けようと努めています。

 それでも、「そんな制度は知らなかった」と申請期限が過ぎた後に気づく人は出てきます。その結果、本来は払わなくて済んだ税金を払うことになってしまうのです。

お金は、自衛するもの。
そう強く思ってください。

 そして繰り返しになりますが、私たちが自衛のために心がけたいのが、「ライフステージに沿ってお金を守る公的支援制度がある」と把握すること。

 つまり、役所があなたに情報を届けてくれるのを期待するのではなく、あなた自身が支援の存在を知り、その手続きに関する情報を取りに行く。大切なお金を守れるのは、あなたしかいません。

「たしか、『子どもが生まれた』らもらえるお金があったはず」「『家を建てる』とき、補助があったような」と頭に思い浮かぶだけでも、「もらい損ねる」確率を減らせます。

「知らなかった」
「めんどくさい」
と引き換えに、

権利とお金を手放しますか?

 また、税金や医療費など「負担」を抑える制度もあるので、人生で避けられないできごとで支出が必要になったら──病気やケガの医療費や介護費用、税金の支払いなど──「何か使える制度はなかったかな?」と頭に浮かべましょう。いったんは自己負担が必要でも、「後から戻ってくるお金」も存在します。

 生きていれば誰にでも起こりうる「ライフイベント」でお金が必要になったとき、ぜひ「お金防衛術の存在」を思い出してください。

子どもが生まれた、家を買う
といった人生の「新たなステージ」。
病気や税金など
「人生で避けられない支払い」
に直面したとき。

「使える制度はないかな?」
と思い出そう。

<本稿は『僕らを守るお金の教室』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部) 


【著者】
小林義崇(こばやし・よしたか)
元国税専門官、フリーランスライター

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