「最近どう?」にいつも困る人に知ってほしいネタ作りのコツ
「趣味は何ですか?」
「休みの日は何しているの?」
こうした質問に戸惑ってしまってうまく会話が弾まなかったという経験はないでしょうか。この場合、あなたと何かを話したいというのが相手の狙いであることは少なくありません。
「最近どう?」も同じく会話の糸口を探しているだけ。どう答えたらいいでしょうか?
齋藤孝さんが40年にわたって続けてきたコミュニケーション講義のエッセンスを紹介した『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる』よりお届けします。
「近況報告」のプロになる
最近の話を聞かれて、「何もなかった」と答えている人。
それはまずありえません。
週末のニュース番組でよくある「この1週間をまとめました」というコーナーをイメージしながら、先週の出来事を掘り出してみましょう。
特別な出来事でなくても、「毎朝、卵かけご飯とシーチキンを食べていました」という程度のことでもいいのです。相手が興味を示せば十分。やってみると、だんだんと慣れてきて、いろんなネタが出てくると思います。
「最近どう?」と聞かれて「やることがなくて、ホント何もしませんでした」と言うのは、相手を拒否しているのと同じです。絶対に言わないようにしましょう。
●週の出来事を手帳に書き込む
近況報告などの「ネタ」づくりにおすすめなのは、手帳を活用することです。
1週間単位で、見開きの片側に書き込むページがあるものがおすすめです。そこに、その日に見たものの感想や、やったこと、行った場所などを書き込んでおきます。すると、「あ、この週はこれがあったな」「ここに行ってあれを見たな」と、その週の出来事を一目で見返すことができます。
私の場合は、テレビ番組の感想を書いたりもします。テレビをあまり見ないなら、動画や音楽などの感想を書き込んでもよいでしょう。
こうやって書き込んでいくと、空欄がだんだんぎっしりと埋まっていくようになります。近況報告のネタは、そこから探せばよいわけです。
学生にも、「面白い話でなくてもいいから、何か人に話せる小さい話題を書き込んでみよう」と呼びかけて、1週間のネタ帳をつくる練習をしてもらいます。すると、「面白い話」とまではいかなくても、自分の生活の中に話せる話題が結構あるものだ、と気づくでしょう。
●近況報告を「5・7・5」で
私の授業では、「5・7・5」で近況報告をしてもらっています。
「私にも、ついに彼氏が、できました」
「高熱で、病院に行ったら、インフルエンザ」
「推し活で、ライブに行って、盛り上がる」
などなど。
厳密に「5・7・5」でなくてもかまいません。
でも、「5・7・5」を目標にして話すと、手短にちょっとした話題をつくることができます。
<本稿は『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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【著者】
齋藤孝(さいとう・たかし)
明治大学文学部教授