20歳頃から徐々に衰える脳に「早口ことば」が何歳からでも効く理由
「あれ、なんだっけ...」
そんなつぶやきが、最近増えていませんか?
20歳をピークとして緩やかに下降を続ける脳の処理能力。放っておくと「もの忘れ」や「認知症」にもつながりかねません。しかし、この"衰え"に、意外なほど簡単な対策がありました。それは「早口ことば」。
脳トレの第一人者である東北大学の川島隆太教授と、早口ことば芸人・作家である大谷健太氏のコラボによる画期的な、つい口ずさみたくなる早口言葉を63個収載。発売以来11万部を超えるベストセラーとなっている『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』より冒頭の試し読みをお届けします。
プロローグ
本書の編集者(以下、編集者):みなさん、最近、会話の中で名前が出てこないとか、言葉に詰まるとか、そんなことがありませんか。
じつはわたしの母もそうなんです。
この間、実家に帰ったら、おしゃべり好きなはずの母(60代)が以前より無口で。
理由を聞いたら「最近、なんだか言葉がでこなくて、おしゃべりする気にもならなくて……」って。
川島隆太(以下、川島):なかなか言葉が出てこない。
それはずばり脳の情報処理能力の低下が原因です。
いわゆる、「頭の回転力」ってやつですね。
編集者:情報処理能力(頭の回転力)の低下?
それって年のせい?
川島:そうです。脳の働きは、20歳頃をピークに徐々に下降線をたどります。
ただし、脳のすごいところは、何歳からでも、鍛えられることです!
そして、頭の回転をかんたんに鍛えることができる最良の手段のひとつ。
それは「早口ことば」です!
「早口ことば」って脳にとって最高のごほうびなんです♩
試しに次の「早口ことば」を言ってみてください。
「堂々登場!(どうどうとうじょう)
相当好評!(そうとうこうひょう)
脳の構造上、(のうのこうぞうじょう)
脳の向上(のうのこうじょう)
そのものの本」
はい、どうぞ。
編集者:どっ、
どうどーとうじょ、
のうのこうぞ
×△□…
川島:どうですか? なんだか脳が活発に動いている感じがしませんか?
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【著者】
川島隆太(かわしま・りゅうた)
医学博士、東北大学加齢医学研究所教授。1959年千葉県生まれ。脳活動のしくみを研究する「脳機能イメージング」のパイオニア、脳機能開発研究の第一人者。2000万本以上を売り上げたニンテンドーDS用ソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」シリーズの監修者。『新ときめき脳活パズル120日』(Gakken)『スマホが学力を破壊する』(集英社)など、著書、監修書多数。宮城県蔵王町観光大使も務める。
大谷健太(おおたに・けんた)
吉本興業所属の早口ことば芸人・作家。1985年福岡県生まれ。2020年の「R-1ぐらんぷり」で敗者復活ステージを勝ち抜き、準優勝。その後、得意の絵と早口ことばを組み合わせた「早口ことばネタ」が注目を浴び、テレビ番組等に多数出演。