すり減ったひざの軟骨を自力でよみがえらせる『100年ひざ』の作りかた
この季節の急な冷え込みで、ひざが痛くなってしまっている人は少なくないでしょう。60代から急に増える「変形性膝関節症」という病気はその代表例。70代女性の7割が悩んでいるとされます。
一方、すり減ったひざ軟骨は自力でよみがえらせることができるのです。テレビ朝日系列「ワイド!スクランブル」でも紹介された初診半年待ちの世界的名医・巽一郎さんが明かす、「長持ちひざ」の作り方をまとめた『100年ひざ』(サンマーク出版)。冒頭の試し読みをお届けします。
プロローグ
たつみ式「ひざの5原則」
みなさん、こんにちは。ひざ関節を専門とする整形外科医の巽一郎です。
令和元年11月に刊行した拙著『100年足腰』をお読みいただいた方から、300通を超えるご質問や感謝のお手紙をいただきました。今回は、そこにあった多くの質問に答えること、そしてさらに多くのひざ痛でお困りの方に届くよう、「ひざ」に焦点を当てた本を、満を持してお届けします。
質問が多かったことへの回答や、この数年の診療で新たに見出せたこと、さらに日頃のセルフケアに加えるとよいことなどをご紹介させていただきます。
僕がひざの関節だけを診るように決めてから、早くも17年がたちました。
毎日ひざのことでお困りの方と話していて感じるのは、人生100年時代を自分らしく、軽やかに生ききるためには「ひざ」が要(かなめ)だということ。年を重ねるごとに多くの方が悩まれるのが「ひざ」。その問題をこの本で解決できたらうれしいです。不思議なことに、ひざの問題を解決しようと取り組んでいくうちに、さまざまな健康問題についても、解決の糸口が見つかると思います。
読後、「この本を読んでよかった!」と思っていただけるように、他ではおそらくあまり知る機会がない情報も交え、「100年ひざ」のつくり方をご紹介していきましょう。
今回は『100年足腰』を読まれた方の質問への回答の意味もこめ、少し専門的な話をしているところもあります。もしもむずかしいと感じるとしたら、それは用語だけですから、そこは読み飛ばしていただいて結構です。
でも、ひざの困りごとを治したい方は、本書でご紹介していく、4つの切らない方法と、対症療法をやめるという「5つの原則」だけは読み取ってくださいね。
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【著者】
巽 一郎(たつみ・いちろう)
一宮西病院人工関節センター長