キャベツをスーパーで買う時の選び方「これが正解」
スーパーの野菜売り場。「今日の献立に必要なのは、、、キャベツ」
同じように見えるキャベツが並ぶ中で、より良い品を見極めるには? 上手に料理に使うポイントは? 『野菜売り場の歩き方』よりお届けします。
重さ、外葉、芯をチェック
キャベツはずっしりと重たいものを選びましょう。特に冬キャベツは自信を凍結から守るためにしっかりと葉を巻き、糖分を蓄えます。「甘くてみずみずしいものは重みがある」と覚えましょう。
ただし水分量が多く、サラダに向いている春キャベツは葉の巻きがゆるく、軽いものを選びましょう。重たいものは育ちすぎで、持ち味である柔らかさが失われています。
僕が仕事で鮮度チェックをするときは、芯が黒くなっていないか、外葉が変色したり、しおれたりしていないかを見ます。外葉が傷んでくると、外葉を取って誤魔化すお店もあるようなので、買い物の際は外葉がついているかどうかもチェックしておきましょう。
裏側の「5本の筋」に注目!
これは農家の方から教えていただいたのですが、キャベツを選ぶときは裏返して「筋」に注目してみましょう。裏側の5本の筋の間隔が均等になっているものが、成長に偏りがなく、おいしいそうです。
また、キャベツは芯から傷みやすいので、筋を見るついでに芯も見ましょう。芯が変色しているものは、収穫してから時間が経っている可能性が高いのです。
カットキャベツは切り口が黄色いものを選ぶ
カットされたキャベツは切り口が黄色いものを選んでください。
カットキャベツは切ってから時間が経つと、光合成で黄色い切り口が緑色に変色します。黄色い方が新鮮で味も良く、ご家庭で長持ちします。
カットキャベツはご家庭で鮮度が悪化して廃棄されてしまうことが多いです。鮮度のいいものを買う人が増えることは、家庭での廃棄を減らし、生産者、スーパー、そして消費者にとっていいことなんです。
キャベツは1年中おいしい
野菜には旬があり、旬を外すと栄養価が落ちます。ただし、キャベツは年中おいしいものが出回っています。
春は春キャベツが旬。葉が柔らかくみずみずしいので、サラダや浅漬けに向きます。
夏は葉が厚めで柔らかく、生でも加熱してもおいしい高原キャベツが出回ります。
冬は葉が厚く、硬く締まっている冬キャベツが出回ります。冬キャベツは葉がしっかりしているので、炒め物や鍋物に最適です。加熱することで甘みが増しておいしくなります。
<旬>
春キャベツ:3〜5月
冬キャベツ:12〜2月
高原キャベツ:6〜9月
<栄養>
キャベツに含まれるビタミンUはキャベジンとも呼ばれる成分。有名な胃腸薬の名前にもなっている栄養素です。油物と一緒に食べることで、胃の負担が減ります。
<こうして長持ち>
冷蔵:芯の奥まで爪楊枝やフォークでグサグサと刺して成長点を壊す。ペーパーに包んで、ポリ袋に入れたら、冷蔵室で保存(目安 約2週間)
冷凍:食べやすい大きさにカットして、よく洗う。水気をしっかり拭き取ったら、保存用袋に入れて冷凍庫に入れる(目安 約1カ月)
キャベツは部位ごとに使い分ける
キャベツは部位によって、味や食感が異なります。料理に合わせて使い分けてみましょう。
外葉は硬く青臭さがありますが、捨ててしまうのは勿体無い。甘みがなく、食感は硬いですが、焼きそばや炒め物にはその「シャキシャキ感」がいいアクセントになります。
内葉はクセがなく、どんな料理にも使いやすいです。青臭さがある外葉は煮物には使いにくいですが、内葉なら大丈夫。食感もシャキシャキしているので、炒め物にも最適です。
中心葉は甘みが強く、柔らかいのが特徴。サラダなどの生食や甘みを生かしてスープに入れてもいいですね。
キャベツでいちばん栄養価の高い部位は芯なんです。芯は葉よりも甘みが強く、青臭いのが特徴。加熱すると甘みが増し、青臭さはなくなります。カレーや炒め物、スープや餃子の具に入れるのがおすすめです。
揚げ物とキャベツは栄養面でも相性バッチリ!
「トンカツにキャベツが添えられている理由」を考えたことはありますか?
キャベツには胃の働きを助ける「キャベジン」という成分が含まれているため、油物で胃を痛めるのを防いでくれるのです。
さらに、食物繊維が豊富なキャベツを先に食べることで太りにくくなります。胃もたれをしやすい人は揚げ物とキャベツをセットで食べてみてください。
<本稿は『野菜売り場の歩き方』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
【著者】
青髪のテツ(あおがみのてつ)
日本一有名なスーパーの店員。
野菜・果物ジャンルのインフルエンサー。
長年スーパーマーケットの青果部で勤めてきた経験を元に、X(旧Twitter)やブログを通じて野菜や果物の知識を発信。76万人(2024年3月現在)のフォロワーを誇るスーパー業界随一のインフルエンサーとなる。