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家で1日中ゴロゴロしてたのに、ちっとも疲れがとれないのはなぜ⁉︎ -ウェルネスライフ

週末、家でゴロゴロしていたのに疲れがちっとも取れない。そんな経験はありませんか?「休息」にもテクニックがあって、それを知っているのと知らないのとでは、日々のコンディションに大きな違いが出るようです。

月曜日の朝、「しっかり休めた〜!よし、やるぞ!」と力が漲るためには、週末をどう過ごせばいいのか。

『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』の著者・石村友見さんが、「最高の休息」について解説してくださいました。

〈解説〉石村友見
株式会社 Life is Wellness代表

劇団四季で『ライオンキング』に出演後、単身ニューヨークに渡り、ブロードウェイ・ミュージカル『ミス・サイゴン』に出演。その後ヨガスタジオを設立し、レッスンからヨガ講師の育成まで尽力。2018年に発表した著書『ゼロトレ』はシリーズ120万部の記録的ヒットとなり、『金スマ』『世界一受けたい授業』など多くのテレビ番組に出演。

その後、ハーバード大学医学部「Health and Wellness」講義にて、ウェルネスの観点から世界最先端の栄養学をはじめ運動、コミュニケーションについて学ぶ。現在は、ニューヨークと東京を行き来する生活。11歳男児の母。


体を休ませても、疲れは取れない

平日働いている人たちの中には、週末になると疲れ切った体を休めるために自宅で1日中ゴロゴロしている人がいます。

にもかかわらず「休んだ気がしない」。朝から夜まで活動量が少ないはずなのに、疲れやストレスが消えず、モヤモヤしたまま月曜日の朝を迎える。あなたにもこんな経験がありませんか?


そんな人は「休みには2種類ある」と覚えておくといいでしょう。

ひとつ目は「体の休み」

これは仕事や家事などの活動によって疲れた体を、「動かさない」「メンテナンスする」などによって回復させようとするもの。自宅で横になっていたり、マッサージを受けに行ったり、ゆっくりお風呂に入ったり。

平日の活動によって、体の「疲労メーター」がゼロを起点にマイナス 、マイナス、マ イナス ……とだんだん下降していたものを、「体の休み」によって再びゼロに戻したり、近づけたりします。

活動

疲労

体の休み

そして、また月曜からの活動によって疲労メーターが徐々にマイナス方向に下がっていき、それを週末の休みで再びゼロに近づける。このようなサイクルを繰り返しながら、多くの人が生きています。

ところが、このサイクルには大きな問題点があります。メーターがゼロより上には行かないことです。

一番働いている臓器はどこ?

なぜ、このサイクルではいつまでたってもゼロより上の「プラス」の世界に行かないのか。それは、脳を休ませていないからです

2つ目は「脳の休み」。 体は疲れているのに、ベッドに横になって眠ろうとしても目が冴えて眠れないことがあります。これは、脳が活動しているため。気になること、不安なこと、悩んでいることが次々と顔を出してくるため、眠りたいのに眠れません。

週末に家で1日中ゴロゴロしていても、なぜか休んだ気がしないのは、考えごとをしたりストレスを抱えたりしているために「脳疲労」が起きているからです。脳は吸収した酸素の25%を消費する、人間の臓器の中で活動量が最も激しい器官です。

考えたり。
悩んだり。
怒ったり。
判断したり。
決断したり。
記憶したり。
悲しんだり。

脳はとにかく忙しい。現代社会において仕事はどんどん頭脳領域が広がっているし、何をするにも単純作業というわけにはいきません。コミュニティの中ではつねに人間関係のストレスもつきまといます。とにかく神経を使います。

そんな状況下では、絶えず働いている忙しい脳を意識的に休ませてあげることが必要です。では、どうすれば脳を休ませることができるのでしょうか。

起きているときに、眠る方法とは⁉︎

脳を休ませるためには「考える暇を与えない」ことです。いくつか例を出してみます。

❶ランニングやウォーキング
走ったり、歩いたりしていると体が疲れてくる。そうなると脳は悩みごとをしている場合ではなくなる。フィットネスで体を追い込んだりしているときも同じ状態になる。

❷ 山登り
大自然の中で空気を吸ったり、歩いたりしながら山を登る。だんだんと急勾配になり、登っているだけでヘトヘトになるので考えごとをしている暇がなく、脳が休まる。

❸旅行
普段生活しているところとは別の「場所」に行くことで、いつものルーティンが変わり、リセットされる。二拠点生活なども有効。

他にも活動量を高めることで脳が休まることはたくさんあるはずです。運動したり、山を登ったり、知らない土地に行ったりして、「体は疲れたけれど頭がスッキリした」といった体験をしたことがあるでしょう。

これは絶えず働いている脳を一時的に休ませることができたためです。血流や酸素供給が改善し、脳がクリアになります。

先ほど「活動→疲労→体の休み」というサイクルでは、疲労メーターがゼロより上に行くことはないと書きましたが、こうして脳を休ませることで気力が漲り、プラス方向にメ ータを進めることができます。

活動

疲労

体の休み

脳の休み

活動

このようなサイクルを作れば、体と脳の両方を休めることができます。「日々のコンディションを良くしたい」と思ったら、「体と脳を休めたい」という欲求が自然と湧いてくる。こうして疲労が抜けて、体調が整う。

このようなルーティンを一度作ることができれば、心身が安定し、生活にエネルギーが生まれることでしょう。

今、自分が行っている休息は、
体を休ませているのか、
それとも脳を休ませているのか。

それをつねに意識しながら、休息をマネジメントしてみてください。


*石村友見さんの著書『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』には、この記事に掲載された「休息」の話をはじめ、体や心をウェルネスにする方法が詳しく掲載されています。以下からご覧ください。