【最新研究】 人は、睡眠不足だと 「嘘」 をつく - ウェルネスライフ
前の晩に睡眠不足だと、職場でやる気がでない。仲間からあれこれ頼まれても「ごめん、今日はむり……」と素っ気なく返してしまう。そんな経験はないでしょうか?
誰かの睡眠不足は、重たい空気となって周囲に広がっていき、やがて職場全体の空気まで重たくなってしまうことも。
「睡眠不足」と「職場」の関係について、『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』の著者・石村友見さんが、世界の最新研究を交えて教えてくださいました。
睡眠不足だと噓をつく
「睡眠」が大切だということは今さら言うまでもないのですが、何度言っても足りないくらい、本当に大切なものです。睡眠を重視する傾向は、世界的企業にもより一層広がりつつあります。社員の働きぶりを大きく左右するからです。
睡眠不足は「気分」に大きな影響を及ぼします。企業においてこれは深刻な問題を引き起こしかねません。ひとりの不機嫌は、その周辺の人に悪影響を及ぼしますし、会社を訪ねてきたお客さんにもその空気は伝わります。社員の睡眠不足によって会社の評判に傷がつくことさえあるわけです。
まず、睡眠不足は気分を憂鬱にさせます。生産性、効率性、やる気、幸福感が下がるので、仕事への悪影響があるし、こうなるとそもそも自分の仕事があまり好きではなくなってしまう。
睡眠が足りていない人の脳をスキャンすると、感情的な衝動の抑制に重要な役割を果たす「前頭葉」がオフラインになってしまうという研究もあります。その結果、感情が不必要に昂ったり、選択や意思決定が雑になったりします。
ワシントン大学フォスタースクールオブビジネスの研究者、クリストファー・バーンズ博士によると、睡眠が「6時間未満」の人は、翌日に「噓」をつく可能性が高いといいます。経費精算の請求書に噓の申告をする傾向が増すというのだから驚きです。
また、自分のミスを他の社員のせいにしたり、逆に、他人の手柄を自分のものにしたりする傾向も強くなるようです。
もしも、あなたが会社で普段はするはずのない言動をしていたり、つくはずのない噓をついたりしたら、昨晩の睡眠不足が原因かもしれません。上司がそのような態度を取っていたら、彼もまた睡眠不足かもしれません。経営陣は社員の人たちの睡眠状態に目を配ったほうがよいでしょう。
仕事における自己管理とは、つまり、前の晩に「よく寝る」ことに他なりません。
これらを踏まえ、ゴールドマン・サックスやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は 従業員に無償で「睡眠衛生コース」を提供したり、生活リズムを改善するための高級な照明が社内に設置されたりしています。
世界的な大企業がそれだけ重視している睡眠。少なくとも7時間以上は眠ることを心がけたいものです。
あなたは昨晩、ゆったり眠れましたか?
*石村友見さんの著書『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』には、この記事に掲載された「睡眠」の話をはじめ、体と心をウェルネスにする様々な情報が紹介されています。以下からご覧ください。