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話が上手な人と苦手な人の「性格」に差はあるのか

 SNSで多くのコミュニケーションが成立する現代社会。逆に「人と直接会って話すのが苦手」「人と話すのは疲れる」という人も少なくありません。

 どうすれば人との会話を楽しめるでしょうか。齋藤孝さんが40年にわたって続けてきたコミュニケーション講義のエッセンスを紹介した『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる』より、「はじめに」の試し読みをお届けします。

はじめに

「こんなことを言うと、どう受け取られるだろう」

「これを質問したら、引かれるかな?」

「こんな話をして、嫌われたかもしれない」

「すぐに言葉が返せなかったけれど、ノリの悪い人だと思われているだろうな」

「へんなことを言っちゃった気がする。どうしよう……」

 人間関係は、考えすぎると疲れますね。

 すると会話も億劫になります。

 もう一歩踏み出せば、もっと仲良くなれたり、仕事や人生によい影響を与えてくれる人と出会えるかもしれないのに、もったいないことだと思います。

 今の世の中は、スピードの速いやりとりが増えています。

 テレビや動画を見ると、テンポのよいかけあいであふれています。

 そんな状況もあってか、必要以上に話し方のレベルが上げられているような気がします。

 でも、そんな勢いのある話し方ばかりが日常的になるとどうでしょうか?

 ぐいぐいこられると疲れてしまう。

 でも、沈黙もつらい。

 そんな気持ちを持つ人も多いのではないでしょうか?

 今の世の中で好かれる人は、強い口調で話すよりも、誰もが安心できるようなやさしい空間を作ってくれる人のように思います。

 気配りのある雑談で、何気ない会話が自然にできる。

 そんなやりとりの積み重ねで信頼関係が生まれ、仕事や日常がより充実したものになっていきます。

●「話が上手・下手」は性格ではない

「自分は性格的にもそんなに話すのがうまくない」と苦手意識を持っている方がいるかもしれません。

 でも、断言します。

「話がうまいかどうか」と「性格」は、まったく関係がありません。

 私は、今までの約40年間で、何万人という方を相手に、コミュニケーションの講義をしてきました。そこでわかったのは、「話すのが苦手」という人は誰もいない、ということです。

 では、なぜ、「自分は話が苦手」と思ってしまうのか。

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この続きは、サンマーク出版の公式LINE『本とTREE』にご登録いただくと実際の本と同じレイアウトで「はじめに」と「第1章 「話すのが苦手」のほとんどは思い込みです」の途中まで(目次含む35ページ)をすべてお読みいただけます。ぜひこの機会にご登録のうえ試し読みをお楽しみください!

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【著者】
齋藤孝(さいとう・たかし)
明治大学文学部教授