早くお金持ちになりたい人に投資家の道を薦める訳
どちらを選ぶべきかは最初から決まっている
私は、ビジネスで成功したお金持ちの経営者とも、多数交流してきました。純粋な人数で言えば、「投資家」よりも「経営者」の友人のほうが多いほどです。
書店に行けば彼らが著者の「成功を掴む」「経営とは何か」といった本がたくさん目に入るのではないでしょうか?
しかし、ビジネスやセールスは向き不向きがあるため、誰でも成功して大富豪になれるわけではありません。
セールスに関しては、確かに原則に従えば売れます。
私も歩合制の営業職だったときに、加賀田式セールスというDVDを約10万円で購入し、その教えどおりに営業をしました。すると、あっという間に会社でトップセールスに輝き、月収800万円に達した経験もあります。
ただ、非常にストレスも大きかったため、永遠にそのセールスを続けられるかと言えば、甚はなはだ疑問です。少なくとも私は続けませんでした。
また、色んな見方はありますが、ビジネスに関しては30年後の存続率は、たった0.02%程度とも言われています。こんな悲しいことを言いたくはないのですが、ほとんどの人がいつかは会社を畳むことになるのは明らかでしょう。
ビジネスは競争です。誰かが勝てば誰かが負けます。マーケットの取り合いですから、勝った少数の優秀な経営者が出している本と同じようにやっても、その次も成功すると限らないのです。
資産構築は誰でもお金持ちになれる唯一の方法
お金持ちになりたいだけなら、資産構築のほうが手っ取り早いのです。資産構築はきちんとした原則に従えば誰でもお金持ちになれます。
皆さんの地元にも、マンションをいくつも持っている地主さんがいるのではないでしょうか? 地主さんとして彼らは代々、資産構築で成功しています。だから資産構築は、能力も、体力も、性格も、年齢も関係なく、誰でもお金持ちになれる唯一の方法なのです。
師匠のオリバーは喝破します。
「日本だと、経営者の年収の上限はだいたい1億円、かなり優秀でも10億円くらいまでだろう。一方、投資家の年収は少ないところで1億円、10億円や100億円はいくらでもいる。それが「ビジネス」で成功して、お金持ちになるのがいかに難しいかを、雄弁に語っているじゃないか。
ビジネスは100人がやれば、まずまず稼げるのはその中で10人ほどだろう。継続的に稼げるのは、さらに2~3人に絞られる。だから、成功者はみんなに教えられる。つまり、自分と同じくらい稼げる人間や、自分の敵になる人間がそれほど増えないのはわかっているから、奥義を教えられるのだよ。
だけど、投資による資産構築は、誰がやっても同じ結果になる。長年やっている私と、昨日始めたばかりの人間、どちらも同じ結果になるのだ。だから、決して全員には教えられないし、本当に信頼できる人間だけに伝授されているのだよ」
投資家と経営者、早くお金持ちになりたいのならばどちらを目指すかは、おわかりでしょう。もちろん、投資家です。
「銀行残高3000万円未満に抑える」富豪がいるのはなぜか
見落とされがちですが、経営者は自社株があるので、言動にも注意しなくてはならず、これが意外にも大きなストレスです。
たとえば、ある大企業の会長クラスは、エレベーターに乗るときは異性と乗らないのだそうです。ハニートラップや写真などを撮られるのを防ぐためだそうです。大企業だとちょっとしたスキャンダルで株価が暴落することがあり、わざと仕掛けて計画的に儲ける人達もいるのです。
一方の投資家は、スキャンダルにはめっぽう強いです。大企業のオーナーと違い、異性とのスキャンダルなどが発覚しても、投資家には痛くもかゆくもありません。ただお金を稼いでいるだけで、自社株などは無いからです。
そのかわり投資家は税務署が苦手です。海外に資産を逃がしている人も多いようですが、最近は海外でも追跡できます。
資産家の元夫も、銀行口座には数百万円しか置いていませんでした。
ある日本人の大富豪の知人は、銀行残高が各行合わせて3000万円を超えないようにしています。3000万円を超えると色んな投資信託の営業などが頻繁に来るようになりますし、1億円を超えたら税務署に目をつけられるからだと言います。
<本稿は『1年で億り人になる』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>