【オススメの1冊】 私が「本当にやりたかったこと」ってなんだろう?
●マラソン、登山、資格取得。それでも人生迷子です
こんにちは。サンマーク出版の代表をしております黒川精一です。先日、知人の女性がこんなことを言っていました。
「40代になってすぐにフルマラソンに挑戦したんです。富士山にも登りました。いくつか資格の取得もしたんですが、いまだ人生迷子です・・・」
そんなに頑張っているのに、どうして迷子なんですか? とお聞きすると「どれも一瞬だけ達成感があるのですが、私がやりたいのは本当にこれなのかな⁉︎ ってモヤモヤするんです」と。
ご自身の人生を充実させたくて、ずっと「エンジン」をかけた状態なのに、前に進んでいないもどかしさと疲労感があるようでした。
人生を後悔したくない。自分は何者にもなれていなくて焦る。でも、本当にやりたいことがなかなか見つからない。
そんな焦りって、多くの人にあるのではないでしょうか。彼女のようにエンジンをかけっぱなしで必死に「見つけよう」としている人もいますし、探すのに疲れてしまった人もいます。
「本当にやりたいこと」をわざわざ見つけなくても、幸せな人生を過ごしている人もいます。
ただ、それを「見つけたい」と願って人生を旅している人には、見つけられない焦りともどかしさがあるものです。
●「創造的なUターン」を繰り返した結果・・・
本当は、すべての人の心の中に「やりたいことはあるはず」と説いているのが『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(サンマーク出版)の著者、ジュリア・キャメロンさんです。
ジュリアさんは本書の中で、どんな人の心の中にも昔は「やりたいことを生み出す創造的な自分がいたはず」と書いています。ところが、
本当はやってみたい。
でも、今の仕事があるし
家族が困るし
自分には才能がないし
時間もお金もないし
失敗したらいやだし。
こう考えて、人は「やりたいこと」からつねに引き返してしまう。これを著者は、
「創造的なUターン」
と呼んでいます。このUターンを繰り返した結果、やがて創造性の芽がしぼみ、「自分が何をしたかったのか」は記憶から忘れ去られていきます。
ジュリアさんはこう言っています。
●モーニング・ページに「負の感情」を書く
本当にやりたいことを見つけ、幸せな人生をおくるために必要なステップは2つあります。
1、「やりたかったこと」を見つける(思い出す)こと
2、今度こそ「創造的なUターン」をせずに前に進むこと
つまり、自分の可能性を見つけて、恐れを振り払って前に進むことです。とはいえ、これは簡単なことではありませんよね。
これを実現するのがジュリアさんが考案した、
「モーニング・ページ」
です。「モーニング・ページ」とは朝起きた瞬間に書く文章のことで、自分の意識の流れをありのままに綴るものです。
ーーああ、また朝がきた。何も書くことがない。カーテンが汚れているから洗わなくちゃ。そうだ、昨日留守中にきた宅配業者に連絡しないと。どっちもめんどくさい・・・。
ーーはあ、今日もブログ書かなきゃ。でも、あいかわらず誰も読んでくれない。句読点すらまともに打てない私の文章なんて誰が読むんだ、って自分でも思う。書きたくない。書くこともない。忙しいし、めんどくさい。
日記というほどのものではなく、意識にあることをダダ漏れ状態で綴るメモのようなものです。紙に書いてもいいし、スマホのメモに書いてもOKです。「自分の可能性を引き出す」と言ったのに、
そんなに否定的なことばかり書いていいの?
と思いますよね。でも、むしろそれでいいのだそうです。これを著者は「脳の排水」と呼んでいます。
人は「自己否定」が得意中の得意なので、まずはそれを書く。目的は、外に吐き出すことで「脳の中を掃除すること」です。
くる日もくる日も、溢れ出す否定的な感情を書くだけ。「起きたらすぐに靴を履いてウォーキングに出かけましょう」と言われたら無理無理・・・と思いますが、「感じたままの負の感情を書いてみて」と言われたら十分にできそうです。
しかも、朝は前の日の疲れが取れていなかったり、眠かったり、だるかったりするので、否定的な感情を書くにはもってこいです。
●脳は、否定されると反論したくなる⁉︎
日々「モーニング・ページ」にネガティブなことを書き続けていくと、やがて自分の中にその否定的な感情を否定する「肯定的な感情」が芽生えてきます。自分で自分を否定しまくった結果、脳が反撃に出るのですね。
「いや、私は愛されるに値する」
「いや、私は高額なギャラをとって当然だ」
「いや、私は才能があるはずだ」
このとき自分の心の中にいる検閲官が「何様のつもりだ」と言ってきたとしても、溢れてきた「肯定的な感情」を綴っていくことで自信を取り戻していきます。
著者は、その瞬間こそが「創造的なUターン」をせずに人生が動き出すときだと言っています。
著者は、モーニング・ページをつける意味を
「向こう側に行くため」
と言っています。自分の中にある恐怖や否定性を認識することで、「いや、本当にそうなのかな?」という自分の中に昔はあった「可能性」に気づくようになり、「向こう側」に行く覚悟が決まってくる。
何日も、何週間も不平ばかり言っていると、その世界にずっといることが嫌になり、脳が「うるさい!そんなことはない!」と反撃をはじめる。確かに、何かをしようとするたびに「検閲官」に否定されたら嫌になり、反転攻勢をかけたくなります。
「いや、私はそんな人間ではない」
「まだチャンスが来ていないだけだ」
こうしたやりとりを、自らの頭の中で行うわけですね。著者はこう断言してくれています。
●私が「本当にやりたかったこと」ってなんだろう?
はじめは否定的な感情ばかり書かれたモーニング・ページに、やがて自然に肯定的な感情が増えはじめる。仕事、趣味、夢。自分の中の創造性を取り戻し、今度こそUターンせずに進むことができる。
ジュリアさんの『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』には12週間で自信を取り戻し、新たな人生を歩む方法がこまかく書かれています。世界中の人たちがこの本で目醒め、人生を変えていきました。
本書の前提になっているのは、人は誰でも「アーティスト・チャイルド(創造性の種)」を持っているということ。
それが社会的な抑圧や、自己否定によって「ないもの」にされてしまう。アーティス・チャイルドを育てるどころか、抑圧したり妨害してしまったりする。
自分で「妨害する」のをやめれば、アーティス・チャイルドは自然に育っていく。その成長に手を貸すためのプログラムが本書です。
これは「自信」を取り戻すための本です。
ずっとやりたかった仕事。
ずっとやりたかった趣味。
ずっと会いたかった人。
ずっと叶えたかった夢。
昔、心の中で芽生えた「ずっとやりたかったこと」にいまこそ水をやり、咲かせてみてはいかがでしょうか。