小くよ92 思考のパワーを自覚する
頭に来たことを思い出した。どうにもうまくいっていないことを延々考えている。あの人のことを羨ましく思って自分が嫌になった――。
こうした感情を生み出すもとになるのは自分自身の思考です。そこに気づいてみると?
2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。
92日目は「思考のパワーを自覚する」
思考のパワーを自覚する
頭脳のしくみについて1つだけ気づくべきだとしたら、もっとも重要なのは思考と感情の密接な関係についてだろう。
自分がたえず考えていることを自覚することが大切だ。「当たり前じゃないか、そんなこととっくにわかってるさ」と思わないでほしい。たとえば、自分の呼吸について考えてほしい。あなたがこれを読んでいるこの瞬間まで、自分が呼吸していることを意識していなかったはずだ。私たちは息が止まらないかぎり、そのことを忘れている。
思考も同じようにはたらく。いつも考えているため、自分が考えているということを忘れがちだ。しかし呼吸とちがって、考えていることを忘れると重大な問題が発生する──不幸、怒り、葛藤、ストレスなどだ。なぜそうなるかというと、考えていることはつねに自分の感情として反映されるからだ。それは点と点の関係にある。
なにも怒る理由がないのに怒ろうとしてみよう! 次に、べつに理由がないのにストレスがたまったと感じてみよう。悲しくないのに悲しいと感じ、嫉妬のタネがないのに嫉妬したと感じてもいい。できるはずがない──不可能だから。本当の話、その感情を生み出す思考がないとなにも始まらないのだ。
不幸は、それ自体では成りたたない。不幸という感覚は、人生を否定的に考えたときに生じる。その思考がなければ不幸やストレスや嫉妬は成りたたない。否定的な感情に居場所を与えるのは、あなたの思考にほかならない。
次にカリカリ頭にきたときは、自分の思考に気づこう──きっとネガティブなはずだ。ネガティブなのは自分の思考であって自分の人生ではない。この単純なことに気づくことが幸せを呼び込む第一歩となる。
練習が必要だが、続ければ自分のネガティブな思考をピクニックで広げた弁当にたかるハエのように手で追いはらって、悠々と楽しめるようになる。
<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。
【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)
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