女性の顔の印象を変える「前髪たった1センチの差」
スキンケアにお金をかけ、メイクに気を配る日本人女性は少なくありません。一方、ほんの少しスタイリングを変えるだけでも印象が激変するのに、見落とされがちなのが髪です。
ファッション誌やヘアカタログで4万人以上のヘアスタイルを撮影し、美容師以上に髪の見せ方に精通したライターの佐藤友美(さとゆみ)さんが、女性の髪を美しく見せるコツを綴ったロングセラー『女の運命は髪で変わる』よりお届けします。
欧米の女性が髪のセットに手を抜かない理由
女性の印象は髪で決まります。メイクを変えるより、服を買うより、ダイエットをするより、話し方講座に通うより、あなたの印象を決めるのは、実は、髪です。
女の顔を100点満点で評価するとしたら、その内訳は、顔(メイク)が50点、髪が50点です。
生まれつき美人でメイクがばっちりで50点とっていても、髪が手入れされていなくて0点であれば、総合50点。
逆に、顔のパーツに自信がなくて30点であったとしても、髪が美しく50点であれば、総合80点。
人は、その総合得点で、その女性の印象を判断します。
世の中の「美人オーラ」をまとっている人たちは、そのことをよく知っているので、絶対に髪に手を抜きません。日本以外の国、とくにアメリカやヨーロッパの女性もそれをよく知っているので、メイクは日焼け止めにマスカラだけの女性も、髪だけは時間をかけてセットします。
女の顔は、前髪で決まる
顔の印象に最も影響するのは、顔まわりの毛です。なかでも、一番重要なのは前髪です。
以前、私の友人が、フラダンスのために10年間伸ばしていた髪を20センチ近くばっさり切りました。そして同じタイミングで前髪もほんの少し、1センチほどカットしました。
次の日、出社した彼女は会社の同僚たちに「なんか、雰囲気が変わったね。あ、そうか、前髪を切ったのか!」と口々に言われてずっこけたそうです。一念発起して20センチも切った毛先のことは誰にも気づかれず、たった1センチ切っただけの前髪のことはみんな気づいている。
これは実はよくある話です。人は、前髪や顔まわりの毛はほんの少し変わるだけでその変化に気づくのですが、毛先はどれだけ変わっても、ほとんど気づきません。相手が男性であればなおさらです。
こんなこともありました。
100人の美容師さんたちを前に、同じモデルの異なるヘアスタイルの2枚の写真を見せて「どこが違うと思いますか?」と聞く実験をしたのです。
最初の2枚は、アイロンで毛先を縦に巻いた「Iラインのスタイル」と、横に巻いた「Aラインのスタイル」を並べました。「違いがわかる人?」と聞いたとき、全員の手があがるまでに7〜8秒程度かかりました。
次の2枚は、前髪を6:4分けにしたスタイルと、7:3分けにしたスタイルを並べました。こちらは、写真を出した瞬間に全員が手をあげ「前髪の分け目が違う」と答えました。
プロの美容師さんでさえ、毛先の巻き方の違い(シルエットも全然違ったのに!)よりも、前髪のほんの少しの分け目の違いに目がいくのです。まして素人ならなおさらです。
ですから、髪を変えたことを気づかれたいのであれば、まず、前髪を変えましょう。髪を切らないまでも、分け目を変えるだけでも雰囲気が変わります。
大きな目のほうを出すと両目とも大きく見える
目を大きく見せたいときも、分け目を変える方法が使えます。人の目は左右の大きさが違うものですが、私がおすすめするのは、大きな目のほうをしっかり見せる分け方です。
たとえば右目が大きいのであれば、右目のほうに分け目を作って右目をはっきり見せ、左目のほうに毛を流して隠し気味にします。すると右目の印象のほうが強くなるので、左目も同じくらい大きく見えます。
私の友人も、大きな目のほうを見せる分け目に変えた写真をFacebookにアップした瞬間「すっごくきれい!」と「いいね」が殺到しました。誰も分け目のせいとは気づいていませんでしたが、なんだか「いつもよりきれい!」と反応したのです。これは前髪で顔の印象を変えられるいい例です。
普段、センターパート(真ん中分け)にすることが多い人なら、あえて思いっ切り8:2や9:1くらいのサイドパート(横分け)にしてみてください。真面目な印象が、驚くほど女性らしく、色っぽくなります。和装のときの女性が色っぽく見えるのは、和装では髪を横分けにするからです。この横分けを、普段の生活にも取り入れてみましょう。
普段前髪をまっすぐ下ろしている人が、少しだけ毛先をブローして斜めにカーブさせるだけでもずいぶん、表情が変わります。6:4分けの人が7:3分けにするだけでも違います。それくらい、前髪の影響力は強いものです。
時間があるとき、鏡に向かっていろんな前髪を試してみてください。今まで知らなかった自分に出会えるはずです。
<本稿は『女の運命は髪で決まる』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock
【著者】
佐藤友美(さとゆみ)
ライター・エッセイスト