センスのいい人に共通する「圧倒的な勝ち筋」を導く思考法の秘密
「センス」とは生まれつきの才能?
実は「天才的なアイデア」にも再現可能な法則があります。電通の社内勉強会から生まれた思考法を体系化して書籍化した『センスのよい考えには「型」がある』(サンマーク出版)より冒頭の試し読みをお届けします。
はじめに:インサイトを考えると、仕事や人生が楽しくなる
一生懸命頑張っているのに、 なぜか、努力が報われない。うまくいかない。そういうときってありますよね。
自分なりに考えて、準備してしっかりと説明したつもりなのに、 急にふわっと出してきた同僚の意見が通ってしまう。
(確かに同僚の意見は良かったけど、自分も頑張ったのに……)
頭を捻(ひね)って何か発言しても、 「なるほどね」と言われたまま、それ以上の進展がなかったり、 「ふーん」と言われて終わってしまう。
気がついたら、隣のあの人や、後輩のあの子は、 突破口になるような解決策をポンっと出したりして、 みんなが「なるほど!」と思うようなアイデアで次々と成果を上げている。
さらに、彼らは楽しそうにも見えたりして……。
「これって何か裏があるんじゃないの?」と怪しんでしまう人もいるかもしれません。
でも、その勘は正しい。
そうです。「裏」があるんです。
でも、「裏」と言っても、悪いことではありません。
いわば「いつもの思考」の裏側です。
マーケティング用語では「インサイト」と言われます。
優れたアイデアや解決策を出してくる人は、ほとんど無意識に「インサイト」を探し出して使っています。しかし、優れたアイデアを生み出す源泉となっている、この「インサイト」を探し出すための「裏側の思考法」を詳細かつ具体的に説明してくれることは、今まで多くはありませんでした。
そこで、この本では、多くのプロフェッショナルと言われる人たちが、無意識的にインサイトを探し出している思考法を改めて分解してまとめることで、誰もが、優れた「インサイト」を見つけられるようにしていきたいと思います。
闇雲に努力して、ひたすらにアイデアを捻り出そうとするよりも、たった一つの「インサイト」さえ見つかれば、信じられないような高い確度で、より多くの人を動かせるような、優れたアイデアが発想できます。
「インサイト」に基づいた、一つの優れたアイデアは、行き詰まった会議やあなたの仕事を、大きく前進させます。
なぜ、あの人は同じデータを見ているのに、飛び抜けた発想ができるのか?
さて、なぜ「裏」がいいのでしょうか?
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【著者】
佐藤真木(さとう・まき)
電通 シニア・マーケティング・ディレクター
慶應義塾大学経済学部卒業。2004年、電通に入社後、主にマーケティングやブランディング、戦略立案に従事。大手クライアントから官公庁、地方自治体、スタートアップまで、100社以上のキャンペーン設計、広報戦略、新商品開発、新規事業戦略、ビジネスデザイン、企業ブランディング、地域ブランディング、アート思考研修などの企画、実施、ディレクションを行う。共著に『場所のブランド論』(中央経済社)、『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)、教育講座の執筆協力に『想像力を武器にする「アート思考」入門』(PHP研究所)がある。
阿佐見綾香(あさみ・あやか)
電通 マーケティング・コンサルタント
埼玉県さいたま市浦和出身。早稲田大学卒業後、2009年、株式会社電通に入社。以来、マーケティング・コンサルタントとして、数多くの企業のマーケティング、経営戦略、事業・商品開発、リサーチ、企画プランニングに従事。担当した業種は化粧品・アパレル・家庭用品・食品・飲料・自動車・レジャー・家電など。大手企業だけでなく、ベンチャー・中小企業も担当するなど、幅広い業種・規模の企業を手掛ける。著書に、累計2万部越えのベストセラーとなった『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』(PHP研究所)、共著に、『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)がある。