小くよ14 忍耐力をつける自習法
忍耐力をつける自習法
忍耐は、慎重な訓練によって強化できる。
実際に時間をくぎって訓練する方法が効果的。これから忍耐を自習しようと決め、そのための時間をとるのだ。人生は教室、学科は忍耐というわけだ。
最初は5分から始めて、慣れるにつれて時間を延ばしていく。まず自分に「よし、これから5分間、ぜったいにイライラしないぞ。忍耐強くなるぞ」と言いきかせる。
やってみるとびっくりするほど効果がある。忍耐しようと意識すると、ふしぎなことに忍耐の井戸が深くなる。ほんの5分でも忍耐することを覚えると、自分が本当は忍耐できる人間だとわかり、もっと時間を延ばしてもいいという気になる。それを繰り返していけば、本当に忍耐強い人になれるかもしれない。
私には幼い娘たちがいるから、忍耐を自習する機会はいくらでもある。
たとえば、大切な電話をかけようとしているとき2人の質問攻めにあうとする。そんなときは「今こそ忍耐の自習には絶好のチャンスだ。これからの30分、できるかぎりがまんしよう」と自分に言う(ほらね、私は努力して30分まで時間を延ばせるようになったのだ)。
冗談はともかく、効き目はすごい──それは家族にも伝わるのだ。私がカリカリせずに落ち着いていると、娘たちをうまくなだめることができる。意識を忍耐することに向けるだけで、いまの状況を平静に受け入れることができるようになる。
頭に血がのぼった状態だと「またかよ、いいかげんにしてくれ」としか考えられない。こっちが忍耐強くなろうとつとめると、その思いは娘たちにも伝わり、「パパをカリカリさせても楽しくない」と自然にわかるようになる。
忍耐強くなると、客観的な視点がキープできる。大変な状況のときでも目の前の問題が「生死にかかわる大事件」ではなく、落ち着けばすぐ解決する「ちょっとしたこと」にすぎないと思えるようになる。そうじゃないと同じシナリオが非常事態に変わり、どなったり叫んだり血圧が上がったりと修羅場(しゅらば)になってしまう。そこまですることはない。
子供、上司、気難しい人、困った事態──相手はだれであれ「小さいことにくよくよしない」ためには、忍耐力の強化が先決だ。
<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
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