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小くよ14 忍耐力をつける自習法

ふとしたことでイラっとしたり、ムカッとしたり、誰かにそれをぶつけてしまったり――。そんな自分のことが嫌になってしまったという経験は多くの人が持っているでしょう。どうにか対処する方法はないものでしょうか。

2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として、『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

14日目は「忍耐力をつける自習法」

忍耐力をつける自習法

 忍耐は、慎重な訓練によって強化できる。

 実際に時間をくぎって訓練する方法が効果的。これから忍耐を自習しようと決め、そのための時間をとるのだ。人生は教室、学科は忍耐というわけだ。

 最初は5分から始めて、慣れるにつれて時間を延ばしていく。まず自分に「よし、これから5分間、ぜったいにイライラしないぞ。忍耐強くなるぞ」と言いきかせる。

 やってみるとびっくりするほど効果がある。忍耐しようと意識すると、ふしぎなことに忍耐の井戸が深くなる。ほんの5分でも忍耐することを覚えると、自分が本当は忍耐できる人間だとわかり、もっと時間を延ばしてもいいという気になる。それを繰り返していけば、本当に忍耐強い人になれるかもしれない。

 私には幼い娘たちがいるから、忍耐を自習する機会はいくらでもある。

 たとえば、大切な電話をかけようとしているとき2人の質問攻めにあうとする。そんなときは「今こそ忍耐の自習には絶好のチャンスだ。これからの30分、できるかぎりがまんしよう」と自分に言う(ほらね、私は努力して30分まで時間を延ばせるようになったのだ)。

 冗談はともかく、効き目はすごい──それは家族にも伝わるのだ。私がカリカリせずに落ち着いていると、娘たちをうまくなだめることができる。意識を忍耐することに向けるだけで、いまの状況を平静に受け入れることができるようになる。

 頭に血がのぼった状態だと「またかよ、いいかげんにしてくれ」としか考えられない。こっちが忍耐強くなろうとつとめると、その思いは娘たちにも伝わり、「パパをカリカリさせても楽しくない」と自然にわかるようになる。

 忍耐強くなると、客観的な視点がキープできる。大変な状況のときでも目の前の問題が「生死にかかわる大事件」ではなく、落ち着けばすぐ解決する「ちょっとしたこと」にすぎないと思えるようになる。そうじゃないと同じシナリオが非常事態に変わり、どなったり叫んだり血圧が上がったりと修羅場(しゅらば)になってしまう。そこまですることはない。

 子供、上司、気難しい人、困った事態──相手はだれであれ「小さいことにくよくよしない」ためには、忍耐力の強化が先決だ。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

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