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「ポストChatGPT時代に人間に残されるもの」堀江貴文さんと佐藤航陽さんの答えは?

 ChatGPTがさらに進化を遂げた「GPT-4 o」(ジーピーティーフォー オムニ、あるいはジーピーティーフォー オー)が5月にOpenAIから発表されました。さまざま機能が追加され、写真や音声を活用した使い方の幅も広がっています。

 ChatGPTをはじめとする生成AIが今後もますます進化を続けていくことが予想される中、私たち人間は今後どうすればいいでしょうか?

 著者の堀江貴文さんを中心に、4人の識者(深津貴之さん、緒方憲太郎さん、佐藤航陽さん、茂木健一郎さん)の知見を踏まえ、まとめた『ChatGPT vs.未来のない仕事をする人たち』。堀江さんと株式会社スペースデータ代表の佐藤航陽さんの見解は? 本書よりお届けします。

Q)ポストChatGPT時代に人間に残されるものは何でしょうか?

・仕事における人間の価値はゼロに近づく。今の仕事に別の付加価値が必要
・AIが入りにくい「趣味」の世界で生きがいを見つけよう

人間の価値は消える

佐藤 航陽(株式会社スペースデータ代表):今後AIの進化が進めば、人間の価値はほぼ消えていくのではないでしょうか。

 特に仕事においては、ゼロに近づいていくと思います。

 プロンプト・エンジニアリングの巧拙が仕事のクオリティに直結することが着目されていますが、プロンプト自体をChatGPTに聞いてしまえばいい。

 9部9厘の人は仕事がなくなる。そうなった時、どんな社会になるのか。

 たとえば、書籍の編集の仕事も今のままでは難しい。少なくとも、編集の仕事に加えて、営業ができるとか、マーケティングがうまいとか、今の職業に、別の付加価値がないと生き残れないでしょう。

仕事以外の「居場所」を作ろう

堀江 貴文:人間にしか価値を発揮できない仕事がなくなっていくのであれば、人間には何が残されるだろうか。私は、「コミュニケーション」と「遊び」だと思う。

 仕事がなくなるなら、遊びを追求すればいい。遊びというとわかりづらいのかもしれないが、要は自分自身が楽しかったり得意だったりして、自分がやりがいを感じられるものと考えればいい。

「趣味」はAIが入りにくい分野

 人間の活動は何も仕事だけに限定されない。仕事がAIに代替されていくなら、趣味に生きがいを見出すのもいい。

 趣味の世界は、AIが強い世界とは違って、非論理的な感情がつきもので、ある意味、宗教に近い。だから、自分なりに喜びを見出せるものを探してみよう。

 たとえば、働き手が不足している伝統工芸の作り手なんかはどうだろうか。漆塗りのお椀や竹細工など、日本にはたくさんの工芸品がある。技能を習得するまでに時間はかかるかもしれないが、手作りのプロダクトには価値がある。世界に向けて発信することもできるかもしれない。

 作ったモノを広げるためのストーリー作りは、AIの出番だ。AIに相談しながら、自分だからこそ共感してもらえるようなストーリーを考えてもらえばいい。

 現代はロングテール社会なので、無数に趣味の世界が広がっているはずだ。

 理解すべきは、世界は二つの極に分かれていること。一つは「なんでも味の素でいいじゃん」の世界。もう一つは無数のニッチが広がるテールの世界。超絶ニッチだとしても、人口80億人のグローバル視点で考えれば、それなりの規模が成立する。

 趣味も得意なこともないなら、とにかくいろんなことを試しながら得意なことを見つけよう。自己承認欲求を満たせるものが見つかると、毎日が充実するだろう。

 最近、私はオンラインサロンをやっていてよかったと思っている。

 オンラインサロンを始めた約10年前は、今の世界を完全に予測することはできなかった。それでも、何が起きても大丈夫な自分を作ること、仕事以外の居場所を作ること、その二つを目的にコミュニティを育ててきた。ホワイトカラーさえも仕事がなくなる可能性が現実味を帯びてきた今、私がオンラインを通して続けてきた活動が間違っていなかったことを実感している。

<本稿は『ChatGPT vs.未来のない仕事をする人たち』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者】
堀江貴文(ほりえ・たかふみ)


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