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小くよ67 否定的な考えを素通りさせる

 日常生活を送っていて、ふっと嫌なことが頭に思い浮かぶことは誰にでもあります。プライベートや仕事で今まさに直面していることについてだったり、過去の屈辱的な体験からネガティブな感情が湧き起こったり、後悔の念に襲われたり――。

 そこにとことん向き合うのも一つのやり方ですが、それを受け流すこともできることは覚えておいて損はありません。

 2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

 67日目は「否定的な考えを素通りさせる」

否定的な考えを素通りさせる

 人は一日に平均5万もの考えを頭に浮かべると言われている。これはすごい数だ。前向きで生産的な考えもあるが、残念ながら多くは否定的になりがち──怒り、不安、悲観。もっと心穏やかな人になるには、否定的な考えをもたないということではなく──それは無理というもの──それとどう向き合うかが問題になる。

 否定的な考えと向き合うには2つの手段しかない。その考えをじっくり分析してのめり込むか、それを受け流して素通りさせるかのどちらかだ。もちろん、受け流すコツを学ぶほうが穏やかな日常を送る近道であるのは言うまでもない。

 ある考えが頭に浮かんだとする。それは1つの考えであって、それ以外のなにものでもない。あなたの同意なしに勝手に悪さをするはずもない。

 たとえば、幼いころを思い出して「両親がちゃんとしてくれなかった」ことに怒りを感じたとする。そのことにこだわりつづけて心に膿うみをためることもできる。頭の中でそれに意義を与えて、そのせいで自分は不幸なんだと確信することもできる。

 あるいは、いま自分は頭の中で悩みごとの雪だるまを育てようとしてるんだと気づき、それを受け流すこともできる。だからといって子供時代の悩みが消えるわけではないが、いまこの瞬間にどっちの思いを優先させるか、その選択権はあなたが握っているのだ。

 これと同じことが、たった5分前に考えたことにも応用できる。

 玄関から出て会社に着くまでのあいだに頭の中で口論が起きている。それは今夜も、来週も、いまから10日後も起きることだ。どの場合でも頭にひしめく否定的な思いを受け流すようつとめれば、穏やかな感情がすぐそこにあることに気づくだろう。そして穏やかな心境になれば、本来あなたに備わっている知恵と常識で自分がどうしたいのかがわかるようになる。

 この戦略は訓練が必要だが、その努力は確実にむくわれる。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo  by Shutterstock


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)


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