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小くよ66 ほしいものよりもっているものを意識する

 人生において「欲しいもの」はたくさんあります。さまざまな持ち物、家、車、あるいは自分自身に足りない能力、スキル、性格、人格――それを家族や友人に求める気持ちもあるかもしれません。

 でも、ちょっと待って。誰でもすでにたくさんのものを持っています。

 2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画としてこの名著の新装版『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

 66日目は「ほしいものよりもっているものを意識する」

ほしいものよりもっているものを意識する

 私はストレス・コンサルタントとして十数年やってきたが、クライエントについてもっとも気になるのは、もっているものよりほしいもののことばかり思い浮かべる傾向だ。

 すでに多くのものをもっているにもかかわらず、欲望のリストはふくらむ一方。「これが手に入れば幸せなのに」といった、もっともっとという願望は、それが手に入ったあとも繰り返され、いつまでたっても満足することがない。

 私の友人は、買ったばかりの家を人に貸す契約をした。次に彼に会ったとき、こんどはもっと大きい家を買うつもりだと言った!

 彼だけではなく、私たちの大半は同じことをやっている。あれがほしい、これがほしい。それが手に入らないとなると、そのことばかり思い浮かべて──不満が消えない。それが手に入れば入ったで、また同じことを考えるだけだ。

 だから、ほしいものが手に入ったのに、まだ不幸せのまま。なにか新しいものに憧れつづけるかぎり幸せはやってこない。

 幸いにも、幸せになる道はある。ほしいものではなく、もっているものに意識を切り替えるのがその鍵だ。

 妻がこんなじゃなかったらなあ、と思うかわりに、彼女のいいところを思い浮かべるようにする。給料が安いとグチるかわりに、仕事があってよかったと感謝する。休暇をとってハワイに行きたいと願うかわりに、家の近くでどれだけ楽しめるか考える。可能性のリストは無限だ!

「人生がこんなじゃなかったら」という罠に落ち込むたびに、一歩下がって最初からやり直すのだ。

 まず深呼吸して、いまもっているものをすべて思い出してみる。ほしいものではなくもっているものに意識を向けると、ほしいものは自然に向こうからやってくる。

 妻のいいところを意識すれば、彼女はもっと愛情深くなる。仕事のグチをこぼさずに仕事があってよかったと思うようにすると、もっといい仕事ができて能率も上がり、昇給にもつながるかもしれない。ハワイに行ってから楽しむのではなく近所での楽しみ方を考えてみれば、もっと楽しくなるだろう。それでハワイに行ったとしても楽しみ方がちがってくるし、行けなかったとしても人生がすばらしいことに変わりはないのだ。

 ほしいものではなくもっているものに意識を切り替えれば、人生は前よりずっと楽しくなる。おそらく生まれてはじめて満足するという意味がわかるだろう。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

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