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目の前のやるべきことは意味あって与えられたもの

 「何かできることはなかったのか」と悔やむ心。どう折り合いをつければいいでしょうか。

『ほどよく忘れて生きていく』より一部抜粋、再構成してお届けします。

『ほどよく忘れて生きていく』(サンマーク出版) 藤井英子
『ほどよく忘れて生きていく』


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「悔やむ心」を忘れる

<目の前のやるべきことは、意味あって贈られたものと、肯定的にとらえてみましょう。>

「夫と義母の介護をしてきましたが、両方とも亡くなったら心にぽっかり穴が開いて、何もやる気が起きません」と話す患者さんに、私は、「自分がいなくなったから、何もできなくなってしまったあなたを見て、故人は喜ぶでしょうか」とお尋ねしました。

 親や配偶者が亡くなったとき、一番心を病んでしまうのは「やることが何もない」という人です。心が行ったり来たりし、「あれをすればよかった」「これもできたかも」と悔やむ心が生まれます。

 こんなときには、手足を使って「動く」ことがいい気がします。

 考えたり、思い出に浸っていると、心に開いた穴に、吸い込まれてしまいそうになります。部屋を片付けたり、これまで磨いていなかった床を磨いてみたり、もちろん、仕事がある人は仕事のことに没頭するようにします。

 14年前に夫を亡くしたとき、子どもたちの教育費の借金が残っていました。夫が「あとは頼む」と言ったものですから、くよくよする暇もなかったというのが当時の素直な心境でした。とにかく仕事を続けました。

 そのときはただ必死で、目の前のこと、患者さんに向き合う日々でした。あとから振り返って、あの借金は、私があれこれ悔やむことを防ぐために夫が残してくれたものなのではないかと思うことがあります。

 目の前にあるやるべきことは、すべて、意味があって与えられたもの。そうとらえて、少しずつ、気持ちを奮い立たせてみませんか。

<本稿は『ほどよく忘れて生きていく』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)

【著者】
藤井英子(ふじい・ひでこ)
漢方心療内科藤井医院院長。医学博士

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