小くよ35 人の行動の奥を見る
偶然立ち寄ったお店のスタッフが何だかモタモタしていた。仕事の同僚に話しかけたら冷たい態度を取られてしまった。家族から厳しい言葉を投げつけられた――。
それらのことに気を揉んでしまう人は少なくないでしょう。でも、相手にも何らかの事情があるとしたら?
2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。
35日目は「人の行動の奥を見る」
人の行動の奥を見る
「気にするなよ、ジョン、彼は自分がなにをしているかわかってなかったんだよ」
自分がそう言ったり、人がそう言うのを聞いたことは? もしあるならば「人の行動の奥を見よ」という古来の知恵を経験したことになる。
あなたに子供がいるなら、このことわざの大切さが身にしみているはずだ。愛情の基盤を子供たちの行動にのみおくとしたら、子供を愛するなんてとてもできそうもない。愛情の基盤が行動にのみおかれるとしたら、十代だったころの私たちはだれにも愛されなかったはずだ。
出会う人すべてに、同じ思いやりをもって接しようとつとめてはどうだろう。だれかが私たちの納得のいかない行動をとったとき、自分たちの十代のころの行動と照らし合わせてみれば、世の中はもっと愛情豊かになるだろう。
とはいっても、現実を見ないようにしたり、すべてがすばらしいというふりをしたり、踏みにじられても耐えつづけたり、否定的な行動を正当化したり認めたりするべきだと言っているのではない。ただ、相手の行動の裏をさぐろうとする視点をもつという意味だ。
役所の係員がてきぱき仕事をしないように見えるのは、その日ずっといやな思いをしているからか、最近ずっといやな日々が続いているせいかもしれない。奥さんや親友がピシリときついことを言うとき、本音はあなたを愛したい、あなたから愛されたいと思っているのかもしれない。
行動の奥を見るのは、思うほど難しくない。今日さっそくためしてみれば、すてきな結果が出るだろう。
<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。
【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)
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