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900円の冷麺すら食べられない貧困から上り詰めたお金持ちが明かす「お金の秘密」

 数世紀にわたり、お金の教育は様々な形でなされてきました。しかし、本当の意味でお金を理解し、それを適切に扱える人は、驚くほど少ないのが現実です。

 極貧から世界的な実業家へと上り詰めた希代の実業家による「伝説のお金の授業」を書籍化した『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』(サンマーク出版)冒頭の試し読みをお届けします。

『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』(サンマーク出版) 書影画像
『お金は君を見ている 
最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』

プロローグ

 人が経済的に自立するには、お金が必要だ。

 お金を理解することについては、この数世紀にわたり、多くの人によってさまざまなかたちで教育がなされてきた。

 しかし、肝心のお金の扱い方については、その知恵のレベルは向上していない。

 世代が交代し、時が流れても、私たちは進歩していない。

 かなり賢明な人でも、お金については無知なことが多く、実際に富を築き維持している人にとっては、その秘密を明かす理由がなかった。

 それなりに知られている方法は、有効期限の切れた古い丸薬のような過去の知識ばかりだ。

 お金に関する問題を解決することは、悟りを開くのと同じほど、あなたの人生に大きな価値をもたらす。

 それを無視し、おろそかにしていれば、

 お金のほうもあなたを無視し、おろそかにするだろう。

 俗物的だからとお金を放置し、怖いと言って避けるなら、その被害はあなたばかりか、家族や子孫の世代にまでおよび、一生を労働に縛られて生きることになる。

 私は家族のために1日も休まず働く労働者の父の下に生まれ、かろうじて飢えずにすむ程度の幼少期を送った。

 だが、いまはアメリカと韓国の両政府に毎年数千万ドルの税金を支払うようになった。

 田舎町で働く外国人労働者のような境遇から、ハーバード大学を出た弁護士や会計士を雇い、世界を股にかけてさまざまな事業を総括する事業家になったのだ。

 かつて私は韓国レストランの重い木の扉におじけづき、6ドルの冷麺を食べるのを諦めたことがある。

(※編集部註 6ドルは現在のレートで換算すると約900円)

 そんな人間が、いまではビジネスパーソンの月給の数年分にあたる額を毎日稼いでいる。

 私は貧しさのどん底から、ほぼ頂点とも言える位置まで上り詰め、その過程でお金のさまざまな属性を詳しく知る機会を得た。

・お金を稼ぐとはどういう意味か
・お金はどう動くのか
・お金はなぜ消えるのか
・お金はどこに流れるのか
・お金はどんな役割をしているのか
・お金はどんな痕跡を残すのか

 それらお金の持つ性質を、比較的広く、深く見渡せる位置に立つことができた。

 私よりも洞察力があり、より深い思考と論理を備え、より大きな事業で成功し、お金の属性を余すところなく理解している人もいるだろう。

 しかし、世に出ている本は、

 実際にお金を稼いだことのない理論家が書いたものがほとんどだ。

 結局、こうした本を書くことでお金を稼ぐ人のほうが多い。

 お金の属性を本当によく知る資産家たちは、その秘密をわざわざ文章に残そうとは思わなかったのだろう。

 こうした秘密を知る人は何人もいない。

 そのことがよくわかっているので、私は運命に導かれるように、自分に与えられたこの仕事を受け入れることにした。

 それでも本書を執筆するまでに、私は何年も悩んだ。

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【著者】
キム・スンホ
スノーフォックスグループ会長
韓国人として初めて、アメリカでグローバル外食企業を成功させた実業家。
創業したスノーフォックス社は、世界11カ国に3900の店舗と1万人の従業員を抱えるグローバル企業。年間売り上げ1兆ウォンの目標を達成、米ナスダック上場を控えている。出版社、生花流通業、金融業、不動産業も営みながら、農場経営者の顔も持つ。韓国中央大学校ではグローバル経営者養成コースの教授も兼務。韓国と世界を行き来しながら、最近5年間で3000人あまりの事業家を養成。「社長を教える社長」として知られる。本書は、インターネット上で動画が1100万回以上再生された「伝説のお金の授業」の書籍化。2023年まで4年連続でベストセラーとなり、100万部に到達した国民的な「お金の教科書」。

【訳者】
吉川 南(よしかわ・みなみ)

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