SAPIXが低学年の親に「先回りしないで」と説く意味
低学年でやっておきたいことは3つ
SAPIXの溝端先生は、「低学年でやっておきたいこと」として、大きく三つのことを挙げています。
① 興味の幅を広げる
② 自分なりに考える経験を積む
③ 漢字や語彙、計算の練習をする習慣をつける
2月21日に配信した「SAPIXが低学年の親に『家族旅行』を勧める理由」では、「①興味の幅を広げる」について詳しくお伝えしました。今回は残る「②自分なりに考える経験を積む」「③漢字や語彙、計算の練習をする習慣をつける」について解説します。
<低学年でやっておきたいこと>②自分なりに考える経験を積む
低学年のうちは、「考える習慣」をつけることが大事です。頭のやわらかいときこそ、どんどん考えて思考力を鍛えましょう。
「なぜ夜は暗いの?」
「人間の体って何でできているの?」
子どもは次々に「なぜ?」「どうして?」「こうしたらどうなる?」という疑問を持つものです。「なんでなんで攻撃」に困ってしまった経験のあるお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。
一緒に調べてあげたり、丁寧に教えてあげるのも素晴らしいですが、「なんでだと思う?」と本人に考えさせるのもぜひやってほしいことです。
そのためには、大人が何でも先回りして答えないようにしなくてはなりません。大人から見て未熟な考えかもしれませんがいいのです。大事なのは、「考えることが楽しい」と思えることです。
高学年になって受験勉強が本格化すると、時間的に余裕がなくなってきます。そのときに「考えることが面倒くさい」という感覚があると、複雑な問題をあきらめてしまったりします。だからこそ、低学年の今のうちに「長い時間考え続ける」ということに慣れておきましょう。
<低学年でやっておきたいこと>③漢字や語彙、計算の練習をする習慣をつける
漢字や語彙、計算は、とても大切な基本スキルです。
でも正直にいって、同じ漢字や言葉を何度も書いたり、似たような計算を何度もやったりするのは、あまり楽しいことではありません。
SAPIXで伝えているのは、「漢字や言葉、計算は、大事なコミュニケーションツールなんだよ」ということです。
漢字や言葉がコミュニケーションツールというのはわかりやすいですね。誰かの文章を読んだとき、そこに書かれている言葉がわからなければ理解することができません。文章で表現するときも、漢字が間違っていたりすれば、読み手に誤解を与えてしまいます。
一方、算数においては、計算がコミュニケーションツールです。相手の考えは計算式に表されているので、それを読み解かなくてはなりません。そう考えると、計算は算数における言語のようなもので、練習して習得しなければ先に進めないのです。
こういった基本スキル習得に向けた練習は、できるだけ幼いうちから習慣づけしておくと、あとが楽になります。
<本稿は『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅勉強法』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
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