小くよ87 「人生の業績」について考え直す
仕事で目に見えるような成果を上げたい。昇進・昇格したい。年収をたくさん稼ぎたい。人に抜きん出たい――。
こうした業績を上げたいという気持ちは多かれ少なかれ誰しもあるでしょう。とはいえ、それが本当の成功なのでしょうか。
2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。
87日目は「『人生の業績』について考え直す」
「人生の業績」について考え直す
いわゆる業績と呼ばれるものに、私たちは目を奪われがちだ。人から認められたり称賛されたりといった業績を上げることにきゅうきゅうとするあまり、真に意味のある業績とはなにかが見えなくなっている。
「意味のある業績とはなんだと思いますか?」と質問すると、判で押したように「大きな目標を達成すること」とか「稼ぎまくること」とか「昇進すること」とか「人に抜きん出ること、称賛を集めること」といった答えが返ってくる。
ほとんどは人生の外で、つまり私たちの外の世界で起きることばかりだ。むろん、この手の業績が悪いもののはずはない──査定したり環境を改善する手段でもある。
しかし、幸福と心の平和を第一の目標にした場合には、もっとも重要な業績とはいえない。地元の新聞に顔写真がのるのは気分がいいかもしれないが、逆境にあっても泰然としていることを学ぶほうが意義がある。それなのに多くの人は新聞に写真がのることを偉大な業績と受けとめ、「泰然としている」ことは業績のうちに入らないと感じている。私たちの優先順位はどこにいったのか?
穏やかで愛情深い人になるのが第一の目標だとしたら、「意味のある業績とは親切や幸福という要素を大切にすること」ともう一度定義しなおしてみては?
自分にとってもっとも意味のある業績とは、自分の内側から出てくるものだと私は思う。自分や他人に親切にしたか? ことが起きたとき過剰反応せず落ち着いていられたか? 自分は幸せか? 怒りを心にとどめず水に流すことができたか? かたくなすぎなかったか? 人を許したか?
こういった自問は、成功をはかるハカリは私たちの業績ではなく、私たちの人格や愛情の井戸の深さにあることを思い出させてくれる。外側の業績だけに目を向けるのではなく、本当に大切なのはなにかを見きわめよう。
意味のある業績について再定義してみると、正しい道を見失わずにすむ。
<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。
【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)