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小くよ47 「できない」というとできなくなる

 自分には難しいと思うような仕事が降ってきて、やり遂げる自信がない。新しいことに挑戦してみたいけど、失敗を恐れて動けていない。「自分もあんなふうになれたらいいな」という理想はあるけど、尻込みしてしまう。そんなふうにやる前から「できない」と自分で決めつけていないでしょうか。

 2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

 47日目は「『できない』というとできなくなる」

「できない」というとできなくなる

 多くの人は自分の限界を主張することに多大なエネルギーをついやす。「そんなこと私にはとても無理」とか「しかたがないさ、前からそうなんだから」とか「すてきな恋人ができたためしがない」とか、思いつくかぎりの否定的なことを口にして自分の限界をつくる。

 私たちの意識は強力な道具だ。なにかが手に入らないと思い込むと、自分で設定したそのハードルを越えるのはとても難しい。たとえば「文章なんてとても書けない」と思い込むとする。次に、そのことを証明するような例をあちこちから引っ張り出してくる。

 高校時代のへたなエッセイ、書くのに苦労した手紙。ためしてみる前に恐怖の思い出で頭をいっぱいにして自らを制限してしまう。作家でもなんでも、とにかくなにかになるための最初のステップは、最大の批評家であるあなた自身を黙らせることだ。

 あるクライエントが私に言った。「恋人とうまくいったことがないんです。私がいつもだめにしちゃって」

 そう、彼女の言うとおりだ。彼女はだれかと出会うたびに、新しい相手に捨てられる理由を探すのだ。デートに遅れると彼女は相手に言う──「私っていつも遅れちゃうのよね」。彼と意見がくいちがうと彼女は言う──「私っていつもケンカになっちゃうの」。

 こんな女はもうごめんだと彼に思わせるのは時間の問題だ。すると彼女は自分にこう言うのだ──「ほら、まただわ。私って恋人とうまくいったことがないのよね」。

 彼女は悪いほうへ悪いほうへと考える癖を直すことを学ばなければならなかった。「私っていつもそうなのよ」と言いかけたとき「そんなのおかしいわ。私はいつもなにもしていないもの」と自分に言いきかせる必要があった。自分の限界を口にするのはたんなる癖で、もっと肯定的な考え方に変えられると知る必要があった。

 いまでは彼女はずっと前向きになった。昔の癖が出そうになると、そんな自分を笑いとばせるようになった。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

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