見出し画像

小くよ46 毎日少なくとも1人、いいところをほめる

 家族や知人・友人、上司・同僚などの近しい人あるいは見知らぬ人であっても、褒められることがあれば嬉しいものです。認められたい、褒められたいという承認欲求は誰しもが持つもの。

 一方、誰かを意識的に褒めている人はどれぐらいいるでしょうか?

 『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。46日目は「毎日少なくとも1人、いいところをほめる」

毎日少なくとも1人、いいところをほめる

 その人のなにが好きか、どこがいいか口に出してほめたことが(またはその時間をさいたことが)何回ある? 

 ほとんどの人は何回でもほめられたいと思うもの。実際、心からほめられたことがどのぐらいありますかと私が質問すると、「いつだったかなあ」とか「まったく覚えていない」とか「そんなことは一度もなかった」という答えが返ってくる。

 私たちがほめ言葉を口にしない理由は幾つかある。「べつに私がほめなくたって、もう自分でわかってるんだから」とか「彼女を尊敬してるけれど、そんなこと口では言えないし」という口実をみんな口にする。

 だが、心からほめられるとうれしいかどうかと聞くと、みんな口をそろえて「うれしいに決まってる」と答える。ほめ言葉を口にしない理由が「なんと言っていいかわからない」とか「恥ずかしい」とか「もう本人がわかってるから」とか「習慣がないから」だとしたら、そろそろ変えてもいいころだ。

 その人のいいところを相手に伝えるのは「思いついたときに親切にする」のと同じ。簡単にできること(慣れてしまえば)だが、結果は大きい。

 一生ずっと人に認められたい、ほめられたいと願いながら暮らしている人がどれだけ多いか。とくに両親、夫や妻、子供たち、友達に。

 だが、知らない人のほめ言葉でも心がこもっていればうれしいものだ。その人についてどう感じているか伝えることで自分もいい気分になれる。それはやさしい思いやりを示すこと、相手のいいところに目を向ける行為だ。

 先日、私はスーパーでとても忍耐強い行為を目撃した。レジ係に一人の客が理由もなしにくってかかったのだ。その係は感情的にならず冷静に応対した。私の番になったとき「さっきのあなたの態度には感心しましたよ」と彼女に言った。彼女は私の目を真っすぐ見つめて言った。「ありがとう。この店で私をほめてくれたのはあなたがはじめてよ」と。

 彼女に伝えるのに2秒とかからなかったが、それは彼女と私の一日のハイライトとなった。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

Photo by Shuttersetock

◎関連記事