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小くよ30 戦うなら賢く

日々の生活を送っていく中で、カッとするようなこと、許せないと思うような出来事は誰しも起こるものです。相手が人間の場合、見ず知らずのケースもいれば、近しい間柄の場合もあるでしょう。そういう人と戦うべきなのでしょうか。

2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

30日目は「戦うなら賢く」

戦うなら賢く

 これは親が子供によく引用することわざだが、充実した人生を送るためにも役だつ。

 人生は、小さなことを騒ぎたてるか、それを水に流して忘れるか、という選択だらけだ。戦う対象を賢く選べば、本当に大切な戦いに勝てるようになる。

 たしかに相手と口論したり、対決したり、自分の信念のために戦うべきときもある。しかし多くの人は取るに足りないことをめぐって戦い、人生を「つまらない戦い」の連続にしてしまう。そうなると人生は欲求不満のかたまりになり、本当に大切なことを見失う。

 すべて自分に都合のいいように(意識しようとしまいと)もっていくのが目的だとしたら、あなたの計画にほんの小さな邪魔が入っても、大問題にして騒いでしまうだろう。私の本のなかでは、それは不幸と欲求不満におちいるための処方せんそのものだ。

 人生は思いどおりにいかないもの、他人はあなたの都合どおりに動いてはくれないもの、これが真実だ。あなたに反論する人、あなたとちがうやり方をする人、いくらやってもうまくいかないことは人生につきものだ。この基本線に刃向かおうとすると、人生の大半を戦って過ごすことになる。

 もっと平和に人生を送るには、戦いがいのある対象をきちんと見きわめるしかない。すべてを完璧になしとげるのではなくストレスの少ない生き方をするのが目標だとしたら、ほとんどの戦いは穏やかな気分を吹き飛ばすものでしかないと気づくだろう。

 夫または妻に悪いのはそっちだと言いつのることがそんなに重要だろうか? または相手のちょっとした失敗をあげつらうことが? どこのレストランにするか、どの映画を見るかといったことが? 車につけられた小さな傷のためにスーツを新調して裁判所に行くことが? あなたの隣人が道路のべつの場所に駐車しようとしないことが、家族の夕食のテーブルで議論されるべきことか?

 多くの人が「戦う人生」を送るタネは、こんなことを含めて無限にある。自分の「戦うリスト」を見てみよう。それがかつての私のリストのようなら、戦う優先順位を変えたいと思うかもしれない。

 「小さいことにくよくよ」したくなければ、戦いを賢く選ぶのが先決だ。そうすれば、戦う必要をまるで感じなくなる日がきっとやってくる。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

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