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ひろゆき「自分の想定と違う会議をどう立て直す?」

 会議が自分の想定と違う方向に進んでいる。立て直せるものでしょうか?

 ひろゆきさんが、実際にありそうな実例を踏まえて理想的な話し方をアドバイス。著書『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください』よりお届けします。

『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください』 (サンマーク出版)
『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に
負けない話し方を教えてください』


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誰と誰にどんな同意ができているのかを知ろう

課長:今回のプロモーションのプランだけど、Aさんが提案していたVチューバーの人を起用するか、アニメーションを利用するか、どちらがいいかな?

A:はい。私が提案したVチューバーの案ですが、今回の商品は、初めのうちは新しいものが好きな人への認知を高めたほうがよいと思います。具体的には、ネットの視聴が多い若年層や、若い人の文化などに関心が高い30代以上の層に広めたいので、Vチューバーがいいと思っています。人気の方なので、プロモーションに出るというだけでも話題になると思います。

C:面白いですね。話題の人ですよね。

B:すみません、そのVチューバーの人、別の商品のプロモーションにも出てた気がします。

課長:だったら、Vチューバーではなくアニメーションを使ったものにしよう。アニメーションだったら、いつもの人にお願いしたらすぐできるし。

A:でも、そもそも従来のお客さん以外の方に手に取っていただきたいので……。

C:アニメーションの場合、従来とは表現の方法を変えるといいかもしれませんね。

B:ごめんなさい。さっきのは勘違いで、このVチューバーさんは今のところ別の商品のプロモーションには出ていないかもしれません。

課長:まあ、アニメーションの表現を変えればいいか。アニメーションでいこう。

BC:はい。

A:(え、プロモーションに出ていなかったのだから、Vチューバーのプランはありじゃないの?)

暗黙のルールに気づこう

まず、Aさんは最後の「プロモーションに出ていなかったのだから、Vチューバーのプランはありじゃないの?」という意見を、なぜ口にしなかったのかが、わからないんですよね。別の商品のプロモーションには出ていなかったんだから、Vチューバーのプランもありじゃないの、というのは、言うべきことです。なので、疑問に思ったことを言わなかったAさんの問題が大きいです。

ただ、周りの人の空気に押されて口を挟むタイミングを失ってしまった、とAさんは考えたのかもしれません。

会話例を見ると、課長とBさん、それとAさんの間にはズレが生じていますよね。

Aさんは、「別の商品のプロモーションに出ているかどうかと、自社でそのVチューバーを採用するか否かの判断は、そもそも関係ない」と思っています。

一方、「別の商品のプロモーションに出ているのだったら、自社のものに出すべきではない」というふうに、課長とBさんの間では、同意ができているわけです。

会議などの話し合いの場で理解のズレが生じるのは、人間のやっていることですから、当たり前です。

なので、Aさんは、課長とBさんのやりとりから、「この組織(もしくは課長とBさんの間に)は、別のプロモーションに出ているか出ていないかで、採用するかどうかの判断が変わる」という暗黙のルールがある、ということに気づかなければいけません。

でも、それが結果を出すために正当な判断かどうかはわかりません。もしAさんが、その判断はしないほうがいいんじゃないかと思ったら、それを言わないといけない。「そもそも従来のお客さん以外の方に手に取っていただきたいので……」の部分は、ルールの話をすべきだったんです。

問題点と改善点をビフォーアフターで考えてみましょう。

<Before:ここがダメ>

B:すみません、そのVチューバーの人、別の商品のプロモーションにも出てた気がします。

(※ここで「別のプロモーションに出ている人は使わない」という暗黙のルールがあることに気づこう)

課長:だったら、Vチューバーではなくアニメーションを使ったものにしよう。アニメーションだったら、いつもの人にお願いしたらすぐできるし。

A:でも、そもそも従来のお客さん以外の方に手に取っていただきたいので……。

(※ここは「なぜ別の商品のプロモーションに出ている人を採用してはいけないのか?」を確認すべき)

B:ごめんなさい。さっきのは勘違いで、このVチューバーさんは今のところ別の商品のプロモーションには出ていないかもしれません。

(※ここでVチューバーのプランをもう一度話すべきだった)

変だと思うなら言っておかなきゃダメ

こういうよくわからない独自ルールは、日本のどこの組織でもあります。会議などで自分の認識と違うと感じたら、そのつど確認をとったほうがいいでしょう。「この組織では、こういう基準で物事が決まるんだ」というのがわかると、今後齟齬(そご)が減ります。でもそこで何も言わないのなら、そのルールに従うしかありません。

これはLINEなどのグループトークでも、同じですね。中心になる人が「これはこうしよう」などと提案した時に、引っかかりがあったけれど、みんな何も言わないからまあいいか、とそのままにしてしまうことがあるのではないかと思います。

でも後でみんなに聞いたら「いや、自分もちょっとどうかと思ったんだよね」と、実はみんな合意していなかったりすることもあります。変だと思うなら、言っておかなきゃダメってことですね。

そうした判断になる「理由」は何か

なお、違和感があったら「その考え方は違うんじゃないでしょうか」と下手に反発せずに、「○さんはこう判断されているようですが、そうしたほうがよいと考えられる理由はどんなことですか?」と質問をしましょう。

自分では「その考え方は違う」と思うこともありますが、その組織やリーダーの中では、論理的に正しい判断をしているはずです。

それにリーダーたちがどういう筋で考えて、そういう結論に至ったのかは、わかっておいたほうがいいですよね。もしかすると、過去の事例で、別のプロモーションに出ていた人を採用して失敗した例があるのかもしれません。そういった暗黙のルールができた理由を知っておくだけで、次回に活かせます。

この事例の課長やBさんにも、それなりの考えがあるはずで、それを聞いておかないと、納得できず不満ばかりが溜まっていきますから。

<After:ここが変わった!>

B:すみません、そのVチューバーの人、別の商品のプロモーションにも出てた気がします。
課長:だったら、Vチューバーではなくアニメーションを使ったものにしよう。アニメーションだったら、いつもの人にお願いしたらすぐできるし。

A:あの、すみません。別の商品のプロモーションに出ていたら、弊社では採用しないほうがいいんでしょうか?

(※ここでリーダーの認識や会社のルールを確認しておく)

課長:うん。過去にトラブルがあったから、そういう決まりなんだ。

C:アニメーションの場合、従来とは表現の方法を変えるといいかもしれませんね。

B:ごめんなさい。さっきのは勘違いで、このVチューバーさんは今のところ別の商品のプロモーションには出ていないかもしれません。

A:だとしたらVチューバーのプランも検討できるのではないでしょうか。

(※前提が崩れたので「Vチューバーもあり」ということを確認する)

資料によると、最近〇社の製品がVチューバーを起用して売上をおよそ1割伸ばしているようです。

(※データに基づいて話を進めよう)

Point!:ズレを感じた時は、すぐ確認する

(本稿は『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に 負けない話し方を教えてください』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです)

(撮影:稲垣 純也)

【著者】
ひろゆき(本名:西村博之)

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