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小くよ41 アラ探しを避ける

 恋人、配偶者、子ども、知人・友人、同僚、部下――。こうした人を見ていて、あるいは付き合っていて何らかの欠点が目につくことがあるかもしれません。

 それをつい指摘して、相手の生き方まで踏み込むような発言をしていないでしょうか。それはお勧めできることではありません。

 2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画としてこの名著の新装版『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

 41日目は「アラ探しを避ける」

アラ探しを避ける

 人のアラばかり探すようでは穏やかな人生は望めない。

 冬に備えて家のひび割れや雨もりする箇所を探すのはいいが、同じように厳しい目で人のアラや自分自身の人生のアラを探す人がいる。家のアラ探しは修繕するところを慎重に見定める作業だが、これを人に応用すると孤立するだけではなく、自分もいやな気分になる。

 この癖がつくと、あらゆるものや人のアラ(つまり欠点)を指摘せずにいられなくなる。そうなると人との関係や人生のありがたみが薄れ、ありのままの現状を肯定できなくなる。

 対人関係におけるアラ探しは次のようにして始まる。だれかと出会ったとき、最初は彼なり彼女なりの容姿、性格、知性、ユーモアのセンスといったものに魅力を感じる。自分とはちがうその人の持ち味を認め、ひかれさえする。

 だがしばらくすると、その新しい恋人(または友人、教師、だれでも)の小さなアラに気づきはじめ、なんとか直してあげたいと思う。「わかっていると思うけど、きみはどうも遅刻する癖があるね」とか「あまり本を読んでないね」と言ったりする。つまり、その相手の気に入らないところを指摘し、生き方まで変えようとしたがるのだ。

 もちろん、たまには意見を言ったり、前向きの批判をしたり、相手のためになる助言をするのはいい。しかし、長年にわたって数百組のカップルを見てきた結果、パートナーにアラ探しをされたと感じたことがない人にほとんど会ったことがない。たまにトゲのないコメントを口にするだけだといっても、それはやがて相手の生き方を規制したがる癖に発展する。

 アラ探しをすること──それは相手の人となりを解釈するのではなく、アラ探しの名人としての評判をたてているにすぎない。

 ついアラ探しをしがちな人は、「ぜったいにやめる」と心に決めること。この癖が頭をもたげたときは、事前に気づいて口を閉ざすこと。アラ探しをやめれば、自分の人生のすばらしさに目が向くようになるだろう。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

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