見出し画像

小くよ80 早起き鳥になる

 1日の始まり。ギリギリまで寝て朝の時間を慌ただしく過ごすか、それとも早く起きて、ゆったり過ごすか。人によって得手不得手もあることですが、早起きにはさまざまな利点があります。

 2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

 80日目は「早起き鳥になる」

早起き鳥になる

 この単純な戦略がどれだけ穏やかで意味深い生き方に貢献しているか、たくさんの例を見てきた。

 ほとんどの人は朝起きて大あわてでコーヒーを飲み、家から飛び出す。1日ずっとはたらき、ぐったり疲れて帰宅する。

 子供たちと家にいる奥さんにしても同じことだ。子供の登校に間に合うぎりぎりに起き出す。ほかになにもする余裕はない。

 仕事をしていようと育児中の主婦だろうと、ほとんどは自分の時間をとって楽しむ余裕がないほど疲れている。疲労の解消策として、つい「眠れるときに寝ておこう」と思う。そこで時間ができると睡眠にあててしまう。そのことで心に深い欲求が生まれる──人生には仕事や育児や睡眠のほかに、もっとやるべきことがあるはずだ!

 疲労にはもう1つの原因がある。充実感がないことと日常に流されることが疲労を倍増させるのだ。世間の常識にさからって睡眠をちょっぴり減らして自分のための時間をつくることで、疲労感がやわらぐかもしれない。

自分のためだけの1~2時間──1日が始まる前の──は、人生を向上させる最高の方法だ。

 私はいつも午前3時か4時に起きる。コーヒーを飲んだあと、たいていヨガをやって数分ほど瞑想する。それがすむと2階に行ってしばらく書き物をし、いま楽しみに読んでいる本をめくる時間もとれる。ぼうっと座ってなにもしないときもある。

 毎日決まって日の出のときは手をとめて山から昇る朝日を楽しむ。電話は鳴らないし、なにかしてくれと家族に頼まれることもない、完全に自分の自由になる時間。1日でいちばん静かな時間帯だ。

 妻や子供たちが起き出すまでに、すでに1日分を楽しんだという気になる。その日どんなに忙しくなろうと、きちんと「私の時間」をもったという自覚がある。自分の人生が剥はく奪だつされたような感じ(残念ながら多くの人がそう感じている)はまったくない。自分の時間がもてるからこそ妻や子供たちにも時間をさけ、クライエントやほかの人たちのことも気にかけられるのだと信じている。

 早起きの習慣をつけたことが人生の重大な転機になったと多くの人たちが私に言った。いままで時間がないという理由でもてなかった1人静かに過ごすひととき。それが早起きのおかげで楽しめるようになったのだ。

 とつぜん本が読めるようになり、瞑想ができるようになり、朝日を観賞できるようになる。この充実感は、いくばくかの睡眠不足をおぎなってあまりあるほど大きい。

 どうしても眠りたいのなら、夜はテレビを消して1~2時間早くベッドに入ればすむことだ。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

◎関連記事


この記事が参加している募集