小くよ81 親切は小さなことに絞る
「いつか世の中を変えるぐらい、多くの人の役に立つような大きなことを成し遂げたい」
こうした考えはもちろん立派ですが、私たちにできることは目の前の一つひとつの決して大きくないこと。そのために人に小さな親切を与えることは、決して小さなことではありません。
『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。
81日目は「親切は小さなことに絞る」
親切は小さなことに絞る
「私たちはこの世では大きいことはできません。小さなことを大きな愛をもってするだけです」とマザー・テレサは言った。
いつか大きなことをしようと壮大な計画をたてると、たったいま、小さなことをする機会が失われてしまう。私の友人がこう言ったことがある。
「もっと人のためになることをしたいんだが、いまはなにもできない。いつか、もっと成功したら多くの人のためになることをするよ」
そのあいだにも町には飢えた人たち、話し相手を求める老人たち、育児に手を貸してほしい母親たち、ゴミだらけの路地、ペンキ塗りが必要な家などなど、あなたの手を借りたい多くのことがあふれているのだ。
マザー・テレサは正しかった。私たちは世界を変えることはできないが、ちょっぴり暮らしやすくすることはできる。私たちがしなければならないのは、小さな親切をたったいま実践することだ。
私が気に入っている親切のしかたは、思いついたときに自分なりの方法ですることだ。
ほんのちょっとしたことにすぎないが、大きな満足と平和をもたらしてくれる。もっとも感謝される親切とは大企業からの多額の寄付ではなく、老人ホームでの1時間のボランティア活動だったり、お金の余裕がない人からの5ドルの寄付だったりする。
小さな親切をしたところでなにも変わらないじゃないか、という思いにとらわれすぎると欲求不満になり、その無力感を口実にしてなにも行動しなくなってしまう。
だが、細心の注意をはらってなんらかの親切──なんでもいい──を実践すれば、与える喜びを感じるとともにこの地球をちょっぴり明るくするのに役だつことができる。
<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者、ストレスコンサルタント
【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)