売り上げがあるなら会社を作る価値は十分にある訳
サラリーマンとして働いてきた人が独立・起業して成功できる、と勝算を得られる条件とは? 会社を作る前に売り上げがすでに上がっているかどうかはその判断材料の一つといえそうです。
『起業マインド100』より20日連続でお届け。
2日目は「会社が存在する前に売り上げがある」
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著者:ケヴィン・D・ジョンソン(Kevin D. Johnson)
ジョンソン・メディア社の社長、連続起業家
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会社が存在する前に売り上げがある
私は起業家になるつもりではなかった。
人生の選択肢として実行できるとも続けられるとも考えたことすらなかった。むしろ、給料の高い仕事に就いて働くのが目標であり、人生における完全な成功だという考えに慣れきっていた。就職したあとで結婚し、子どもをもうけ、退職し、惜しまれながら亡くなる。この厳格な考え方を子どものころから身につけてきたが、その傾向は大学時代にさらに強まった。どの学生もこの理想的な生活を得るためにがんばっていた。
全学生が同じような服装をしなければならなかったある日のこと、私は自分が企業世界のためにつくられた組み立てラインの上の複製品になったように感じた。他のことは何もわからずに、私は最後にはアメリカ企業に納品される道を喜んで受け入れた。
お金が向こうからやってくる
だが、大学在学中に開発したウェブサイトが好評を博すと、何もかもが一変した。あまりに人気があったため、企業から広告を出したいという問い合わせがいくつも届いた。
最初の問い合わせは、ウェブ上で大学生向けのジョブ・マッチングサービスをおこなう〈ジョブダイレクト〉というドットコム企業からだった。ジョブダイレクトの問い合わせに私は完全に不意をつかれた。というのも、自分のウェブサイト上で広告を売ろうと思っていなかったからだ。
私は自分のウェブ開発スキルに磨きをかけるために、楽しんでサイトをつくった。私はただウェブ上に大学で一番人気のポータルサイトをつくりたかっただけだ。実際に大学で一番人気があると言ってくれる人もいた。つまり、私は利益ではなく、製品に情熱を傾けたのだ。
ジョブダイレクトは私のサイトに広告を打ち、新学期のための準備をしたかったため、価格と広告表示の交渉はすぐに進んだ。私には全体のプロセスがまったくわからなかったため、わかっているように見せかけるのに役立つ情報をウェブ上で探した。いくら請求するのかも、どうやって取引をまとめるのかも、誰が意思決定者なのかもわからなかった。
ジョブダイレクトのキャンパス関連部長に、バナー広告の費用としてはほとんど話にならないほど高額な数字を適当に提示した。驚いたことに、彼はすんなりとその額を受け入れた。ひょっとするともっと高い額を請求できたかもしれない。
3年生の夏までに、私はジョブダイレクトとパートナー契約を結び、1800ドルの小切手を受け取った。フェデックスから小切手を受け取ったとき、私はコピーを取り、それを額に入れて飾った。特別誇らしかったのだ。私が初めて得たお金は、よく会社の壁にかかっているようなしわくちゃのドル紙幣ではなかったかもしれないが、高額な小切手だった。しかし、ひとつだけ問題があった。私は小切手を換金できなかった。
起業するために必要なこと
私のウェブサイトは正式にはビジネス用につくられたものではなかった。そのため、ウェブサイトの名前でかなり高額な小切手を振り出されても換金する方法がなかった。だが、高額なお金がかかっていたため、私は銀行口座を開設するのに必要なことをすぐに学んだ。正式な会社になるのに必要な手順をウェブで調べ、そのとおりにした。
それだけでなく、オンラインの法務サービスを利用して定款を作成し、営業免許を申請した。同じように、オンラインでIRSに雇用者識別番号(EIN)も提出した。
最後に、定款、営業免許、EINと2種類の身分証明書を地元の大手金融機関ワコビアまでもっていき、ビジネス用口座を開いた。これで私は起業したことになった。
やりたいことがお金になる人が起業家
当時はわからなかったが、会社をつくる前に売り上げを出すことが、有望なベンチャー企業である証明だった。実際に、私が起業した(これまでに何社もある)会社のことをすべて考えてみると、最も成功した会社は法人化する前に売り上げがあるか、大きな需要があった。ビジネスを始めるのには発注書があるのが一番だ。私は自分が何をしているのかわからなかったが、それが考えられるかぎり最良の状況だった。
結果として、ビジネスのためにビジネスを始める人にうんざりするようになった。その半面、期待のもてる市場に応える有力な製品やサービスのある人にはわくわくする。
あなたはどちらだろうか?
<本稿は『起業マインド100』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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