小くよ51 批判は受けとめれば消えていく
家族や知人・友人、同僚・上司などから批判的なことを言われたら、誰だっていい気はしません。一方で、言い返したい気持ちをグッとこらえてその批判を受け止めることができたら、人生の見方が変わってきます。
『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。51日目は「批判は受けとめれば消えていく」
批判は受けとめれば消えていく
ちょっと批判されても胸にズキンとこたえるものだ。すわ一大事ととらえ、戦争でもしているように自己防衛に走る。
ところが批判というのは私たちの行動や考え方への他人の観察にすぎず、私たちが自分を見る視点とは異なる。ほっといてくれよ! 批判にたいして自己弁護すると、よけいにズキンとくる。攻撃されたと感じ、自分を守ろうとするか相手に反論しようとする。自分や批判する相手にたいする怒りと恨みが頭に渦巻く。こういった反応はとてつもないエネルギーを必要とする。
自分に向けられた批判に同意する、これは信じられないほど効果的な練習方法だ。すべての否定的なコメントを受け入れてぺしゃんこにされるがままになる必要はない。ただ相手の批判に同意すれば場の緊張がやわらぐばかりか、なにかひとこと言いたいという相手の欲求も満たされる。また、人が自分を見る目のなかになんらかの真実があることを知り、なによりも冷静さを失わない絶好の訓練になる。
私がはじめて批判に同意したのは、妻に「あなたって、しゃべりすぎることがあるわね」と言われたときだった。そのときはまず、グサリときたのを覚えている。「そうだね、たしかにしゃべりすぎることがある」と答えたとき、人生を変えるなにかに気づいた。同意することで、彼女がまともな指摘をしていると気づいたのだ。たしかに私はしゃべりすぎる!
あっさり同意したので彼女も気が楽になったらしく、すぐにこう言った。「でも、あなたって本当に話がしやすい人よね」と。
もし私が批判に腹をたてていたら、そんなことは言ってくれなかっただろう。それ以来、批判に怒りで反応しても批判は消えないことを学んだ。事実、むかっぱらをたてたりすると相手は「やっぱり私の思ったとおりだ」と考えるものだ。
この戦略はためしてみる価値がある。たまに批判に同意してみると、グサリとくる以上にいいことが待っている。
<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者、ストレスコンサルタント
【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)
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