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ハンガリーのズバ抜けた「少子化対策」に日本人の僕が思うこと

 ハンガリーでは子供を産むと1人目から減税となり、4人産めば所得税がゼロに。そして、子どもにも投票権を与えようとした動きがあったそうです。

 「日本において常識とは考えられていないこと」が、実は「世界の常識となっていること」は意外と少なくありません。48例に及ぶ世界のシン常識をまとめた『シン・スタンダード』よりお届けします。

『シン・スタンダード』(サンマーク出版) 谷口たかひさ
『シン・スタンダード』
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4人産めば所得税ゼロ!? ハンガリー式少子化対策

 ハンガリーが少子化対策に充てている予算は、GDP比にして日本の約6倍だという。

 そして、その内容が非常に国民のことを考え抜かれており、感動を覚えるレベルなので、ここで共有しておきたい。

1.所得税の軽減
 子どもの数に応じて、母親の所得税から以下の額が残りの人生の「毎月」軽減される。
・1人:32ユーロ(約4500円)
・2人:60ユーロ(約8500円)
・3人:99ユーロ(約14000円)
・4人:全額

2.車の補助金
 子どもが3人以上いれば7500ユーロ(約110万円)

3.育児休暇
 3年間(手当、保育料等の補助付き)

4.子育て支援手当
 子どもが3人以上いれば、一番下の子が8歳になるまで支給

5.結婚奨励金
 結婚後2年間支給

6.無利子ローン
・妻が40歳になるまで、3万ユーロまで(約430万円)
・2人産むと3割が帳消しに、3人産むと全額返済不要

 どうだろうか。これでもかというくらい、補助金や休暇制度の目白押しなのである。

 しかも、ここには紹介しきれなかったが、その他、「マイホーム補助金」や、「学生ローンの減免」などの対策がされているというのだ。

 これら政治のバックアップの結果、子どもを産む人も、結婚も劇的に増え、離婚や中絶は減っているのだとか。

 当然と言えば、当然だが。

 一方で、日本は子どもを産む人は減り続け、結婚したくない人の数は過去最高。

 あげくの果てにイーロン・マスク氏(テスラCEO、世界一の資産家)からは、

「日本はいずれ存在しなくなる」と発言される始末だ。

 ただ、兵庫県明石市のように、「子どもを核としたまちづくり」として、

・生後3ヵ月から満1歳の誕生日までの子どもにおむつを無償でお届け
・プールや博物館などの公共施設の無償化(年齢制限あり)

 など、子育てをする人たちのことを考えた政治を行っている地方自治体もある。

 そこでは、子どもの数が増え続けていると言うから、政治の力と、それらを応援する市民の力はスゴい。

 ニュースを見ていると、日本の政治家は、本気でやっている人がいないと思ってしまいがちだが違う。

 世の中を少しでも良くしよう、前に進めようと、政治の世界で本気で頑張っている人もたくさんいる。

 そんな本気の人たちを応援できるのは、僕たち市民だ。

 少しでも住みやすい社会にしたいなら、自分の住んでいる地の政治にも関心を向けるべきだと思う。

ハンガリーでは、子どもにも投票権がある?

 現在の日本人の平均年齢は48歳程度。

 そして、全有権者に占める、30歳未満の有権者の割合は「13・1%」。

 60歳以上の占める割合は「40%」を上回っている(1950年には「14%」)。

 しかも、このデータに加え、選挙のたびに若者が投票に行かないことが指摘されている。

「30歳未満の全員が投票に行き、

 60歳以上の半分しか投票に行かない」

 なんてことが奇跡的に起きたとしても、60歳以上の人の票数のほうが大幅に多いにもかかわらず、そもそも30歳未満の人は選挙に行く率が低いわけだ。

 その結果、何が起きるか。

 言わずもがな、60歳以上の理想ばかりが叶う国が、政策が、補助が、生まれていくのである。

 もちろん実際は、高齢者だからといって「自分のことを最優先に考えて欲しい」と言っている人がたくさんいるわけではない。

 むしろ、「次の世代のための政治をしてあげて欲しい」と考えている高齢者が多いことも知っている。

 ただやはり、政治家が人口も投票率も高い層に忖度せざるを得ない部分はあるように思うのだ。

 では一体、この状況をどうしていけばいいのだろうか。

 僕たちは、「決められたルールの中でどう頑張るか」ばかりを考えて、

「そもそものルール自体を変えるべきではないか」ということは驚くほど考えない生き物だ。

 ハンガリーでは、こんなことが国会で正式に審議された。

 それは、「子どもにも投票権を与えて、親がその票を代理で投票できるようにする」というもの。

 当時のハンガリー与党「フィデス=ハンガリー市民同盟」のベテラン議員であるヨージェフ・サイエル氏はこう言った。

「国民の約20%は子どもであるにもかかわらずその意見は反映されない。

『子どもにも投票権を』というアイデアは、普通には聞こえないかもしれないが、100年前には『女性に投票権がある』ということも普通ではなかった」

 この素晴らしい提案は、

「子どもがいる人が有利になる」

「親が子どものニーズを反映するとは限らない」

 といった反発にあい、通ることはなかったわけだが……。

 しかし、ルール自体を変えようとしたことは賞賛されるべきなのではないかと思う。

 今の「普通」は、昔は「普通」ではなかった。

 これから「普通」になっていくことも、今は「普通」と思われていないかもしれない。

 そんなふうに「普通」は変わっていくのだ。

 数年に一度選挙が行われる今の民主主義の仕組みは、新陳代謝が早いという意味ではいいかもしれない。

 しかし、どうしても政策が、目先のことにとらわれ、先を見据える力が欠けることが多い。

 そのように近視眼的では、「教育(未来の世代への投資)」や、「環境問題(影響が出るまでに時間がかかる)」といったことはないがしろにされやすい。

 だからこそ、僕たち市民が、決められたルールの外側に立つ視点を持つべきなのだと思う。

<本稿は『シン・スタンダード』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者】
谷口たかひさ(たにぐち・たかひさ)

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