小くよ05 思いやりは訓練で育つ
困っている人、悩んでいる人、不満を持っている人、苦しんでいる人――。自分の周りにそんな人がいたら、どう振る舞うのがいいのでしょうか。
『新版 小さいことにくよくよするな!』よりお届けします。
思いやりは訓練で育つ
バランスのとれたものの見方をするには、人にたいする思いやりの心を養うのが一番だ。
思いやりとは相手に心を寄せること。相手の立場にたち、自分のことはひとまず置いて、相手の苦しい立場を思いやり、その相手に愛情を感じること。相手の悩みや苦しみ、不満をわがことのように認識すること。
相手が苦しんでいるのを知り、なんらかの力になりたいと口にすることで、私たちは心を開いて共感することができる。
思いやりは訓練で養うことができる。それには2つの方法がある──意識すること、行動で表すこと。
意識するとは、相手に心を開くことを忘れないようにするという意味、自分から相手に心を広げるという意味だ。行動するとは、「それにたいして自分がなにをするか」という意味だ。わずかなお金か時間(または両方)を定期的にさくことかもしれないし、道で出会った人にやさしい笑顔であいさつすることかもしれない。
なにをするかはそれほど重要ではない、なにかをすることが重要なのだ。マザー・テレサが「私たちはこの世では大きいことはできません。小さなことを大きな愛でするだけです」と言ったように。
思いやりは、小さいことにくよくよする癖を直してくれ、ありのままの自分に感謝する気持ちを育ててくれる。
目が見えること、人から愛されていることといった人生の奇跡──この本が読めるのも、ある意味では奇跡だ──について考えると、自分が「大変なこと」と感じていることは実は「小さなこと」にすぎず、自分自身で「大変なこと」にしているだけだとわかる。
<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)
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