クラス替えの自己紹介、覚えてもらうにはどうする?
4月からの新学期。学校ではクラス替えの時期です。小学生のお子さんにとって、新しい友だちができる楽しみもある一方、クラスに溶け込めるか、仲の良い友だちができるかどうかなど不安に思っていることもあるでしょう。
中でも緊張することの一つが「クラス替えのときの自己紹介」。どんなふうに話せばいいでしょうか。
子どもの小学校生活で、「仲間に入りたい」「嫌なことを言わないでほしい」「教えてほしい」「意見を言いたい」など、シチュエーションにあわせた言い方と、その考え方を紹介している齋藤孝さんの新刊『こんなときどう言う?事典』よりお届けします。
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<クラス替えのときの自己紹介。自分のこと、覚えてほしいな>
基本)「山口です。算数と、サッカーと、ゲームが好きです」(名前と、好きなことを三つ伝えよう)
できる!)「坂本です。けん玉が好きで、毎日練習をしていて、この間1級になりました。好きなことで極めたいと思っています」(名前と、自分を伝えるエピソードを言ってみよう)
これだけでもOK)「石川です。犬が好きで2ひきかっています」(名前と、好きなことを一つ伝えればいいよ)
自分の好きなものについて話そう
クラス替えをしたときや、委員会にクラブ活動と、学校で自己紹介をする場面は多いよね。 そういうときに、「○年△組の××です」というだけでは、人に覚えてもらいにくかったりします。とくにクラスでの自己紹介だと、「○年△組」を言う必要がないから、名前だけしか言うことがない、という人もいるかもしれないね。
だから自己紹介では、きみの好きなものを付け加えて言ってみてほしいんです。「○○っていうアニメが好きです」でもいいし、「今、Jリーグの○○というチームを応援してます」でもいいね。
それを言うだけで、まわりの人に、きみの印象が残りやすくなります。なぜなら、きみの好きなものを同じように好きだったり、似たようなものを好きだったりする人が、まわりには必ずいるはずだからね。
好きなものが同じだったり、似ていたりすると、「この人と友だちになりたい」と思ってもらえることが多いのです。きみにも、同じアニメやアイドルが好きな子には、「わたしと趣味が合うかも!」なんて思った経験があるんじゃないかな? それに、自分がどんな人であるかを説明するのはむずかしいけれど、「自分はこれが好き」と言うのはかんたんだよね。
これはぼくの経験なんですが、人の好きなものって、意外と覚えているものなんです。何年かたったあとも、「あの人、これが好きだったよね」と思い出したりするんだよね。
エピソードを話そう
もし話せるならば、「自分はこういう人です」ということを表現できるエピソードを話してもいいと思います。 たとえば、「ぼくは努力家です」と言われても、あまりイメージがわきません。
でも、「ぼくはなわとびが苦手だったけど、毎朝20分練習していて、最近は連続で50回とべるようになりました」というように、努力家であることが伝わるエピソードを話すと、みんなは「がんばり屋さんなんだな」と理解してくれるようになります。
ちなみに、こういうエピソードは、話すときに自慢にならないようにするといいと思います。みんながニコニコと聞いてくれそうな話を、あらかじめ用意しておくといいですよ。
そして、もしきみがみんなにお願いしたいことがあったら、ぜひ自己紹介で伝えておきましょう。
たとえば、「ぼくは左の耳が聞こえにくいので、右耳のほうから話しかけてもらえると助かります」などと伝えておくと、みんなも気をつけてくれるし、きみも楽しく毎日を過ごせるようになると思いますよ。
POINT
自己紹介を友だちと話すきっかけにしよう
<本稿は『こんなときどう言う事典』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
【著者】
齋藤孝(さいとう・たかし)
1960年静岡生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。著書に『12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』『12歳までに知っておきたい言い換え図鑑』(日本能率協会マネジメントセンター)、『小学生なら知っておきたい教養366』(小学館)等多数。テレビ出演多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。