優秀な人を遠ざける人と深く付き合う人の決定的な差
賢い人、優れた人、鋭い人――。こうした人は周囲から尊敬され、一目置かれることも、逆に恐れられて時に虐げられることもあります。
ビジネスの現場で周囲にこういう人がいたら、どう付き合うのが正解でしょうか?
『起業マインド100』より20日連続でお届け。7日目は「大半の時間を自分より賢い人と過ごす」
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著者:ケヴィン・D・ジョンソン(Kevin D. Johnson)
ジョンソン・メディア社の社長、連続起業家
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大半の時間を自分より賢い人と過ごす
ふつうの人は賢い人に怖じ気づく。そのことを私は身をもって知っている。私のSAT[アメリカの大学入試共通テスト]の試験の得点を知ると、みんなはいつもショックを受けた(私には非常に高慢な親戚がいた)。その場で複雑な難問や数学の問題を出して、私を困らせようとする人もいれば、信じられないという顔をしたりメラメラと嫉妬心を燃やしたりして私を見つめる人もいた。
私には、彼らが値踏みされるのを恐れているのが感じとれた。彼らは文法をチェックし、計算を再確認した。自分の大きな成功を声高に叫んだり、できるだけ教養があるように装ったりする人もいた。気まずい状況だったが、人間はそういう行動をとるようにできているものだ。誰もがこの部屋では自分が一番頭のいい人間だと思いたがる。たとえ、本当はそうではなくても。
優れた人は怖い?
1週間隔離されて過ごすなら、非常に頭のいい人と平均的な人のどちらがいいかとたずねられたら、ふつうの女性は平均的な人を選ぶ。誰も彼女を責められないが、これはなんという悲劇だろう! まるで恐怖心や自尊心や周囲と馴染みたいというあこがれのせいで、成長と学びが妨げられているようだ。こうした落ちつかない気持ちを乗り越えることが、すばらしい人へと向上する最初のステップになる。
高校時代、私は優れた人と付き合うことに価値があると学んだ。どういうわけか、私は何人かの本当に優秀な生徒と友だちになった。偶然のように書いたが、私たちの友情はおそらく強固だった。というのも、友人たちと同じく、私も学校で浮いていたからだ。おたくとはそういうものだ。それでも、結果は同じだった。
つまり、私は彼らから多くのことを学び、能力を向上させることができた。たとえば1996年、授業で対話式の発表をするとき、私たちは動的サイトを構築した。他にも、ヒューレットパッカードの関数電卓にある赤外線ポートを使ってデータ交換をするプログラムも使っていた(でも、不正を働くプログラムは使用しなかった!)。いろいろな意味で私たちは時代の先をいっていた。友人の多くがハーバードやMITなどの名門大学に進学した。
あなたは付き合っている人の5人の平均
現在でも、私はこれまで広げてきた聡明な人たちとの関係を維持している。そうした人間関係の中には、長く活躍しているCEO、科学技術者、投資家などがいて、世界でも一流の大学や企業の出身の人が多い。彼らといると、自分の能力のなさを思い知らされ、時には愚かにすら思える。
だが、彼らから非常にたくさんのことを学んでいるとわかるので、それでいいのだ。頭のいい人たちを見つけ、しっかりとした関係を築くのは簡単ではない。年を重ねると、なおさらそうだが、がんばるだけの価値はある。
私の主張を雄弁に物語る言葉をいくつか引用しよう。ビジネス哲学を説く作家、ジム・ローンはこう言っている。
「あなたという人間は、あなたが最も長い時間をいっしょに過ごす5人の平均である」
私がこの言葉を特に好むのは、数学が組み込まれているからと、この5人が誰なのかについて考えさせてくれるからだ。
同じように、スペイン語圏の国では次の言葉も知られている。
「Dime con quién andas y te diré quién eres.」
ざっと訳すと、こういう意味だ。
「あなたと付き合いのある人のことを教えてくれれば、あなたがどんな人か教えてあげよう」
こうした引用が示すように、私たちは周りにいる人の習慣や考えの影響を受けずにはいられない。そのため、すべての起業家──そして、成功したいと思うすべての人──は最良の人たちに囲まれていないといけないのだ。
<本稿は『起業マインド100』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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