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小くよ61 ちがう視点の記事や本を読もう

 人にはもともと「自らの見たいもの、信じたいものを信じる」という心理的特性があります。

 特に昨今はSNSの発達によって自分と似た興味関心を持つユーザー同士でつながりやすくなったり、さまざまなネットサービスが利用者の行動履歴が分析されて、ユーザーが「見たいと思われる情報」を優先的に表示されるようにもなっています。

 一方、自分にとって都合の良い情報ばかりを見続けると考えがどんどん偏ってしまいかねません。

 2月にスタートしたサンマーク出版のオウンドメディア「Sunmark Web」の特別企画として、この名著の新装版『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

 61日目は「ちがう視点の記事や本を読もう」

ちがう視点の記事や本を読もう

 自分が読むものはすべて自分の意見や見方を正当化するものばかりだ、ということに気づいたことは? 

 ラジオやテレビ番組の選択にも同じことがいえる。事実、アメリカでもっとも人気のあるラジオの人生相談では、相談者がみんな「はいはい頭」──つまり「はい、先生がこれからおっしゃることにすべて同意します、はい。どんどん言ってください」──になっている。

リベラル派、保守派──どっちだろうと私たちはみな同じだ。意見や視点をつくり上げ、自分たちが信じるものの正しさを確認する作業を続ける。

 このかたくなさは悲しい。というのは自分とは正反対の意見や視点から多くのものが学べるからだ。自分と同じ意見や視点以外のものに心を閉ざすというかたくなさが、ものすごく大きな心のストレスを生むという点も悲しい。閉ざされた心は、すべてのものを突き放そうとつねに身構えている。

 私たちはみんなそれぞれに自分の見方がいちばん正しいと確信している。意見を戦わせる2人が、自分の正しさを証明するためにまったく同じ例を使うこともある──それぞれに正しく説得力もある。

 それを知っていると、本気でかかってもっと頑固になることもできるが、ほっと気を抜いて新しいなにかを学ぼうという気にもなれる!

 一日に数分でいいから、態度をやわらげて自分とちがう視点で書かれた記事や本を読んでみよう。信念や深い信条を曲げることはない。ただ新しい考え方に心を開くだけでいい。そうすれば、自分とちがう考え方を排斥しようとするストレスが軽くなる。この練習は新しいことに興味を抱かせるだけではなく、他人の無邪気さを見る練習、自分に忍耐力をつける練習にもなる。

 自分とちがう考え方に1つの論理を見いだそうとつとめることで思慮深くもなれる。私と妻は、アメリカのもっとも保守寄りの新聞ともっともリベラルな新聞を購読している。どちらも私たちの視点を広げてくれている。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)


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