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日本人の睡眠不足が世界的にどれだけ短いか知っていますか

 睡眠が人間に絶対欠かせない活動だということは疑いようがありませんが、そのメカニズムを深く知っている人がどれだけいるでしょうか。

 そもそもなぜ眠る必要があるのか。私たちが眠っている間に、体では何が起きているのか。眠れない人はどうしたらいいか。どんな睡眠や目覚めが理想的なのか――。そんな疑問に答えるため、世界の睡眠研究を知り尽くした著者が綴ったスウェーデン発の睡眠本『熟睡者』より冒頭の試し読みをお届けします。

※本書は、2020年12月に小社より刊行された『Sleep,Sleep,Sleep』を加筆・再編集したものです。

『熟睡者』 サンマーク出版
『熟睡者』

新版刊行によせて、日本のみなさんへ
「どうしたら一番よく眠れる?」

 日本は労働時間が長いことで有名だ。会議、デスクワーク、日々の業務など、次から次へと仕事が舞い込んでくる。その結果、日本人の睡眠時間が他の先進国に比べて短くなるのも想像に難くない。

 2018年、ヘルストラッキング技術を搭載したウェアラブルデバイス[手首や腕、頭などに装着するコンピュータ機器]を提供するポラール・エレクトロの日本支社は、同社のウェアラブル心拍計「Polar A370」とスマートウォッチ「Polar M430」の世界中のユーザーの睡眠データを比較した。

 それによると、日本の男女の平均睡眠時間は一晩あたり約6時間35分。国際平均と比べて約45分短い。休息を大事にすることで知られるフィンランドと比較すると、ほぼ1時間の差だ。

 睡眠不足がもたらす影響は、個人の問題を超えて社会全体に及ぶ。慢性的な睡眠不足は、さまざまな病気のリスクを大きくし、一人ひとりの仕事上のパフォーマンスを低下させるだけでなく、経済全体にも悪影響を与えるのだ。

 肥満、2型糖尿病、心血管疾患、脳の老化、認知機能の低下、慢性疼痛などは、睡眠不足の悪影響の一部である。

睡眠「一晩分」の計り知れない効果

 ところで、長期的な睡眠不足だけが健康やパフォーマンスに影響を与えるのだろうか?

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【著者】
クリスティアン・ベネディクト(Christian Benedict)
1976年、ドイツ・ハンブルク生まれ。スウェーデン・ウプサラ大学准教授、神経科学者、睡眠研究者。キール大学の栄養科学修士課程を修了。リューベック医科大学で神経内分泌学を研究、博士号を取得。2013年よりウプサラ大学の教壇に立つとともに、同大学の睡眠研究を牽引。

ミンナ・トゥーンベリエル(Minna Tunberger)
ジャーナリスト、作家。約20年にわたり、スウェーデン通信(TT)や日刊紙「スヴェンスカ・ダーグブラーデット」等の主要メディアに健康をテーマにした記事を執筆。

【翻訳者】
鈴木ファストアーベント理恵(すずき・ふぁすとあーべんと・りえ)

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