映画原作『もしも徳川家康が総理大臣になったら』はいかにしてベストセラーになったのか!?~BOOK TALK vol.6
Sunmark Web 「BOOK TALK」は、サンマーク出版のPR戦略室で働く新井俊晴と杉本耕亮が、「本の世界」で働く人たちの奮闘記をお届けする対談記事です!
前号では、以前に特集しました「ビジネス書ベストセラー表紙の法則」の第二弾の企画として、実用書の「売れる表紙」を徹底調査し、ビジネス書とはまったく異なる「表紙の法則」を発見した2人。次はいつ、どのジャンルを調査するのか、楽しみです。
さて、今回はいよいよ7/26(金)に公開を控えた映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の原作について、発刊時から現在までを振り返り、いかにしてベストセラーになったのか!?を徹底調査いたしました!
それでは、BOOK TALKスタートです!
●今回は映画原作『もし徳』を徹底調査!
新井俊晴
みなさん、こんにちは!「BOOK TALK」へようこそ!サンマーク出版PR戦略室、人呼んで”ひとり広告代理店”の新井です。
杉本耕亮
同じくPR戦略室、兼営業部、人呼んで”ハイブリッド営業マン”の杉本です!
新井 Sunmark Web「BOOK TALK」は、本の世界で働く人たちの奮闘記をお届けする対談です。書店さんや販売会社さん、著者さん、出版社のみなさん、そしてこれから出版業界を目指す方たちのお役に立てればうれしいです!
杉本 今回はいよいよ7/26(金)に公開される映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の原作小説について、これまでの歩みを振り返り、この本が「なぜ読者の心」を掴んだのか、営業・PRの観点から紐解いていきたいと思います!
題して…
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は
いかにしてベストセラーになったのか!?
です!
◎小説だけど、ビジネス書??
新井 杉本くん、いよいよ7/26(金)に映画『もし徳』が公開されるよ!
杉本 うん、ほんとに。ドキドキですが、既にご覧になった方々から楽しめて、しかも「うるっとくる」「グッとくる」という前評判を聞いているので、ぜひ映画館で観てほしいですね。
新井 あれ?杉本くん、完成披露試写会で観たんじゃないっけ?
杉本 え?観ましたけど…。
新井 それなら杉本くんの感想も聞かせてよ!なんで言わないの⁉︎
杉本 いやいや、ここでネタバレになるような話はできません!僕おしゃべりだから…。新井さんに質問されたら、全部話しちゃいそうだし。
新井 たしかに…!!(笑)
杉本 「そんなことないでしょ!」とか言ってくれてもいいのに…。ただ一つ言えることは、前評判通りで「エンタメ要素もあるんだけど、グッとくる」っとことかな!
新井 なるほど。人の心にも刺さる内容ってことなんだね。僕も早く観なくては!で、今回は映画の原作『もしも徳川家康が総理大臣になったら』のこれまでを振り返っていくんだよね?
杉本 そうです!この本、発刊が2021年3月なので、実は僕が入社する前の本なんですけど、入社する前に書店さんで仕掛けているのを見た記憶があって。
新井 そうそう。そもそもサンマーク出版は毎月小説を発刊する出版社ではないから、「どう売っていくか」っていうのはけっこう悩んだんだよね。
杉本 うんうん。
新井 当時はまだコロナ禍でみんなの中に漠然とした「不安」とか「モヤモヤ」があったじゃない?その嫌な雰囲気を吹き飛ばすエネルギーがこの本にはあって、それをどう広めていくかが大事だなって思ったんです。
それで担当編集者と考えたコピーが「時代とジャンルの垣根を超えた、歴史教養エンタメ!」ていうもの。タイトルの「ビジネス小説」もそうなんだけど、この本はあえて「ジャンル」を限定しないように見せたかったんだよね。
杉本 なるほど。それで実際にビジネス書に置いていただいた書店さんもあったんですよね。そうやって幅広い層に読んでもらうきっかけをつくったんだ。
新井 そうそう! あとはなにより、書店さんがこの本を面白がってくれたっていうのが大きかったと思う。書店の皆様、いつもありがとうございます!
◎ターニングポイントは「目力」だった!
杉本 それで店頭に並べたらすぐに売れたんですか?
新井 この本の正式な発売日の前に全国のいくつかの店舗で、先行して本を置いてもらったんです。「どこの書店でもめっちゃ売れました!」というわけではなかったんだけど、いくつかの書店さんで1週間という期間なのに異様に売れていて、「おや?これはいけるのでは…」と。
杉本 なるほど!それで広告を打つことを決めて、すぐに効果が出たと?その時はどういう訴求ポイントだったんですか?
新井 うん!広告効果はすぐに出たね!でも「訴求ポイント」か…難しいな…。あ!それとはちょっと違うんだけど、デザインでひとつ気をつけたことがあった!
杉本 ほー!なになに?
新井 「家康の目」が見えるようにしたんだよね。
杉本 「家康の目」??
新井 そうそう!この本の表紙、いまは映画の情報になっているけど、元々は徳川家康のイラストを使ってたでしょ。「AI家康」だから表紙では目元をタイトルで隠しているんだけど、この目力がすごいのよ。
広告で使うなら、これは隠したくないな・・・と思って。
杉本 たしかに!目力つよっっ!!
新井 これがよかったのかはわからないけど、広告はよく効いたなぁ・・・!読者さんが「家康と目が合った」のかも(笑)とくに電車広告!
杉本 このポスター広告を見て、映画会社の方から連絡をいただいたっていうまことしやかなウワサもありますからね・・・。家康の目力、おそるべし・・・!
◎分厚いけど、一気に読める!
新井 話は変わるんだけど、杉本くんは入社して早々に「30冊読書」ってやった?
杉本 やりましたよ。「え!!多くない!?」って思いながら…
新井 お?また社長批判?
杉本 いやいや、とてもためになりました(笑)
新井 切り替え早い(笑)その時、『もし徳』も読書リストに入ってたと思うんだけど、読んだ時どうだったの?
杉本 読みました!というか、僕は入社前にPRの酒見さんに「この本めっちゃ売れそうですね」って話をしていて、既に読んでいたんです。
新井 え!そうなんだ!それは嬉しい!そんな話してくれたことないじゃん(笑)あ、まさかその時も本が光って見えたの?
杉本 めちゃくちゃいじってくるじゃん(笑)シンプルに「なんだこの本!?面白そう!」っていう直感です。ただ手にとった時の第一印象は「分厚っ!」でしたね。
新井 わかる!社内でも新刊会議から面白そう!っていう意見は多かったかな。けど、確かに本は分厚いよね(笑)
杉本 うん。でも読んでみたらそれを感じさせないくらいの内容だったんですよね。「あ、一気読みってこの感じだ」っていう。
新井 すごくわかるな。この本って、時代小説が好きな年配の人も楽しめるし、設定がすごくユニークだから若い人にも受け入れられやすいでしょ。ぼくが広告をつくるために持って帰っていた本を、気づいたら小学6年生の息子が読んでて。やっぱりあっという間に読み終わってたもんね。
杉本 あっという間に読めて、満足感がある!子どもが本を好きになるには最高じゃないですか!
新井 30冊読書も一気読みできれば・・・
杉本 やめなさいって(笑)
◎いま書店店頭は『もし徳』祭り!
杉本 新井さん、そんな『もし徳』ですが、いま書店さんでものすごい展開をつくってくれているんですが、ご存知です?
新井 もちろん!営業部の日報やXで各書店さんが投稿してくださる、展開画像付きの愛あるポストを毎日見てる!
杉本 そうなんです!まさに夏らしい「祭り感」満載の売り場が全国の書店さんに溢れているんです。
新井 いやほんとにすごいよね。こんなに場所を割いてご販売いただいていることが嬉しい!
杉本 正直、プロジェクトチームの中では販促物作りすぎたかなぁ…って話をしていたんだけど、書店さんがここまで「祭り」にしてくれるのを見て、そんな不安は吹き飛びましたね。
新井 そうだったね(笑) あと、この販促物はプロジェクトチームのメンバーだけでなく、本社にいたメンバーほぼ全員で発送作業をしたから、みんなにとってもすごく自分事になっている気がする。
杉本 たしかに!ここまで書店さんが展開してくれたら嬉しいし、Xでも読者の方々が「美波ちゃん!」「赤楚くん!」って投稿してくれていて、喜んでくださっていることが伝わってくるので、より嬉しいよね。
新井 うんうん。さぁ今週いよいよ映画公開か…
杉本 ドキドキですね!新井さんは3回くらい観に行ってくださいね。
新井 え!多くない!?
杉本 それくらい行ってもらわないと!バチ当たりますよ。とにかく僕が今日お伝えしたかったことは、「原作も映画も最高に面白い!」ということです!
新井 急なまとめ(笑 )じゃぁ僕はもう一度原作を読んでから映画館に行くよ!
杉本 ぜひ!みなさん、原作も映画もどうぞよろしくお願いします!
新井 よろしくお願いします!
手のひらに、一冊のエネルギー。
サンマーク出版の新井と杉本がお送りいたしました!
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