子どもが「自分は幸せだと思う」ために親ができること
自分の子どもをどのように育てたらいいのか。どの親も悩む共通の課題です。
子どもを人生の主役にする育て方はあるのでしょうか。
褒め方、叱り方、遊び方、食事、片付け、スマホ――。年間500本以上読破する論文オタクの東大医学博士・二児の母が超厳選した、親だからできる聞き方、伝え方の最適解を探った『自分で決められる子になる育て方ベスト』より冒頭の試し読みをお届けします。
はじめに
子どもに幸せになってほしい……
でも、どうやって幸せになるんだろう?
「子どもに幸せになってほしい」
きっと多くの親が抱く感情だと思います。
それでは、どうすれば子どもは幸せになれるのでしょうか?
私は医師として命の現場の最前線で働きながら、患者本人や家族が幸せについて考える場面を何度も目にしてきました。
しかし、いざ自分が子どもを育てる〝母〟という立場になって、わが子の幸せを考えたときに、「幸せになってほしい」とは思うのですが、「どうなることが幸せなのか」が全くわからないことに気がついたのです。
私は医師であると同時に大学で研究をする研究員でもあるので、その答えを科学が明らかにしているのではないかと、医学、社会学、教育学、経済学など、あらゆるジャンルの科学論文を読み漁(あさ)りました。
「どうしたら幸せになれるか」は、人それぞれ永遠に答えが出ません。
それでも、子どもが「自分は幸せだと思えるためにできること」には答えがあると気づいたのです。
「自分で決める」が人を幸せへと導く
さまざまな研究から、幸福感を決定する要因は主に3つあることがわかりました。
一つは、健康。もう一つは、人間関係。
そして、最後の一つは自己決定です。
神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授によると、実は所得や学歴といった多くの人が求めているものよりも、自分で人生を選択することの方が幸福感を高めるのです。
人生は「選択」の連続です。
子どもたちのこれからの人生には、たくさんの「選択」が待ち構えています。
あなた自身の人生を思い返してみてください。
進学や就職、結婚といった大きなライフイベントはもちろん、住む場所、毎日の食事、休日に遊びに行くところ、風邪をひいたときに通う病院、保険など、毎年、毎月、毎日、毎時間、もしかしたら毎分のように「選択」し、自分で何かを決めていることでしょう。
ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、人は1日に最大3万5000回の選択をしているそうです。
ここで考えていただきたいのですが、子どもの選択〝すべて〟に親がついていてあげられますか?
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【著者】
柳澤綾子(やなぎさわ・あやこ)
医師、医学博士。東京大学医学系研究科公衆衛生学客員研究員、国立国際医療研究センター元特任研究員。麻酔科専門医指導医。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。公衆衛生学を専攻し、社会疫学、医療経済学およびデータサイエンスを専門としている。15年以上臨床現場の最前線に立ちながら、大学等でも研究し、海外医学専門誌(査読付)に論文を投稿。年間500本以上の医学論文に目を通し、エビデンスに基づいた最新の医療、教育、子育てに関する有益な情報を発信している。自らも二児の母であり、データに基づく論理的思考と行動を親たちに伝える講演や記事監修、執筆なども行なっている。『世界一受けたい授業』『J-WAVE TOKYO MORNINGRADIO』『VERY web』など、メディア出演、連載記事執筆多数。現在は株式会社Global Evidence Japan代表取締役として、母親目線からの健康と教育への啓発活動も精力的に行っている。著書に『身体を壊す健康法』(Gakken)がある。