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小くよ36 無邪気さを見つけ出す

 人から不愉快なことを言われた。ないがしろにされた。頼んだことに対しての反応が何だか遅い――。こうしたことに腹立たしい気持ちを抱いてしまうのも無理はありません。ただ、暴力行為など常軌を逸した行動を除き、その「奥を見る」ようにすれば、その人の行動の源が見えてきます。

2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

36日目は「無邪気さを見つけ出す」

無邪気さを見つけ出す

 他人の行動が理解できないとき、欲求不満におちいる人がたくさんいる。自分に理解できない行動を「無邪気さの表れ」と取るよりも「いやな感じ」ととらえてしまう。

 イライラさせられる行動──コメント、行為、意地悪いやり方、自分勝手な態度──をやり玉にあげて欲求不満におちいるのは簡単だ。行動のみにとらわれすぎると、よってたかってみんなにいじめられているような気にさえなる。

 だが私はウエイン・ダイアーが講演会で皮肉たっぷりにこう提案したのを聞いたことがある。

「あなたがたをいじめている人たちをみんなここに連れていらっしゃい。私が彼らを治療して(カウンセラーとして)みなさんの気分を明るくしてあげましょう!」

 もちろん、これは皮肉な冗談だ。人はみんな変なことをする(しない人などいるだろうか?)のは真実だが、それに怒るのは私たち自身なのだ。

 だから変わらなくてはいけないのは私たちのほうだ。暴力行為など常軌を逸した行動を、受け入れたり黙認したりしろというわけではない。ただ人の行動にいちいちイライラしないコツを学ぼうと言いたい。

 だれかが腹だたしい行動に出たとき、その行動から距離をおいて「その行動の奥を見る」ようにすれば、その行動の源となっている無邪気さが見えてくる。意識のなかでちょっとスタンスを変えれば、相手を思いやる気持ちがわいてくる。

 私は早くしてくれとせかす人たちを相手にすることがある。私をせかせる彼らのテクニックは、たいてい傲慢(ごうまん)で侮辱的ですらある。彼らの言葉や口調だけを取り上げれば、私もイライラして怒りさえ感じる。「いやな連中だ」と思ってしまう。

 しかし、自分が急いでなにかをするときの感じを思い出せば、彼らの行動の奥にある無邪気さが見えてくる。イライラさせられる行動の奥に、わかってくれと叫ぶ欲求不満の顔が浮かんでいるのがわかる。

 こんど(できればいまから)だれかがいやな行動を取ったときは、その裏にある無邪気さを探してみよう。思いやりをもてば探すのは難しくない。その無邪気さが見えれば、同じ行動を取られても前ほどイライラしなくなるだろう。

 人の行動にいらだつことが減れば、もっと人生の楽しさに焦点を合わせやすくなる。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

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