スウェーデンは子供に「ルールは変えるもの」と説く
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日本ではルールは守るもの、世界ではルールは変えるもの
スウェーデンの小学5、6年生の教科書を読んだ時のことだ。僕はその内容にすごく感動したことを覚えている。
そこにはこう書かれていた。
「ルールは変えるもの」
スウェーデンの教科書にはさらに、例えば100年前と現在ではどれくらいルールや常識が異なっているかが説明され、
そして、常識を疑うことや変えたいなら自分がまず行動することの大切さ、さらにその具体的な方法までもが書かれているのだ。
一方、日本の学校で講演をした際、
生徒たちに「ルールにおいて大事なことって何?」と聞くと、
大抵、「守ること!」と返ってくる。
確かにルールを守ることは大切だ。
しかし、冷静に見ると、ルールは「その時の大人の都合」にすぎないことがほとんど。
つまり、ルールを作る側の安心・安全を担保するために作られている、ということだ。
ちなみに、僕が住んでいたドイツでも、「ルールは変えるもの」として、同様のことを小学校で教わるそうだ。
そして、実際に小学生が行動して社会を変えた例が紹介されているテレビ番組もあった。
ルールを変える者こそが、「ヒーロー」というわけだ。
僕がイギリスに学生として住んでいた頃は、よく街頭でデモを行っていた。ところが、そのことを注意されるどころか、先生に褒められた。
社会を変える具体的な方法として、スウェーデンの教科書で一番に紹介されているのが「署名を集めること」だ。署名には法的拘束力はないものもあるが、効果は絶大である。
得票「数」が生命線の政治家。
消費者「数」が生命線の企業。
視聴者「数」が生命線のメディア。
保護者や地域住民の声の「数」を無視できない、学校や教育委員会。
そんな「数」が集まった署名に効果がない理由を説明するほうが難しい。
なお、EUが「ミツバチへの悪影響」を懸念して、「ネオニコチノイド」と呼ばれる農薬の規制が進んでいる。
その背景には、多くの人からの署名が集まっていたことが知られている。
おかしいと思うルールや常識があるなら、自分が具体的に行動して変えればいい。
沈黙は容認も同じだ。
<本稿は『シン・スタンダード』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>