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小くよ84 植物をかわいがる

 人間にしてもペットにしても、愛情を注ぐ相手がすべて自分の期待通りになるとは限りません。一方、相手が植物ならば?

 2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

 84日目は「植物をかわいがる」

植物をかわいがる

 一見、奇妙な提案に思われるかもしれない。植物をかわいがってなんの効果があるんだ、と。精神的な生活と心の充足に欠かせないことの1つに、無償の愛を学ぶことがあげられる。

 どんな相手でもその人を無条件に愛するのはとても難しいことだ。私たちが愛そうとする相手は、決まって気に入らないことを言ったりしたりし、こっちの期待をうらぎる。すると私たちは腹をたて、愛情に条件をつける。「愛してあげるけど、あなたも変わらないとだめ。私の期待どおりにしてくれなくちゃ」

 なかには周りの人たちよりペットを愛するほうが得意な人もいる。とはいえペットに無償の愛を注ぐのも大変なことだ。真夜中にワンワン吠えて起こされたり、お気に入りの絨じゅう毯たんを汚されたりしたら? それでも変わらず愛せるだろうか? 私の娘たちはウサギを飼っている。だが私の美しい木彫りの門扉がかじられたときは、さすがにそのウサギに愛情をもてなかった!

 その点、植物なら、そのままで愛することができる。植物を育てるのは無償の愛を注ぐ絶好の機会になる。

 どの宗教も無償の愛を説いているのはなぜだろう? 愛にはすばらしい変換パワーがあるためだ。無償の愛は与える側と受ける側の双方に平和な気持ちをもたらす。

 室内でも戸外でもいいから植物を1つ選び、毎日それをながめよう。その植物を自分の子供のように育てて愛してみよう(自分の子供よりずっと手間がかからない──夜泣きもしないし、オムツもいらない)。

 その植物に話しかけ、どんなに愛しているかささやこう。花が咲いても咲かなくても、すくすく伸びても枯れても愛を注ごう。ただ愛するだけでいい。その植物に無償の愛を注ぐとき自分がどう感じるか気づこう。そういう愛情には、イライラや憤りはまったく含まれない。植物を見るたびに、1日に少なくとも1回はそういった愛を注ぐ練習をしよう。

 しばらく続けると、じきに愛情と思いやりが植物以外にも向けられるようになる。愛を注ぐ心地よさに気づいたら、周りの人たちにも注げないかどうかためしてみよう。相手が変わることを期待しないでも愛せるように練習する。ありのままのその人を愛せるように。

 植物はすばらしい教師──あなたに愛情のパワーを教えてくれる。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

『新版 小さいことにくよくよするな』(サンマーク出版) リチャード・カールソン