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文章術の本を忌み嫌い、軽蔑している私が文章術の本を出してみた

「せっかく感動したのにうまく言葉にできないの、マジでどうにかしたい」

 と思ったことがある人のために、月間240万PVのエンタメ系トップブロガー、かんそうさんが初の著書として文章にまつわる「全て」を書き下ろした『書けないんじゃない、考えてないだけ。』(サンマーク出版)

 語彙力・文章力は一切不要! 無限に書ける人になるヒントが詰まった1冊。かんそうさんの考える文章力とは? 本書冒頭の試し読みをお届けします。

『書けないんじゃない、考えてないだけ。』
『書けないんじゃない、考えてないだけ。』

文章とは書く前から書いているのです。

あなたは「文章力がある」とされている人間が、
なんの苦悩もなくスラスラと
文章を書いていると思っていませんか?

そんなことはありません。

素晴らしい文章を書いている人ほど、
頭の中で必死に
考えているはずです。

彼らはセンスで書いているように
見せる能力が高いだけで、
誰しもが「書けない」と悩み、
枕を濡らす夜はあるのです。

「文章について
本気出して考えた時間の量」

本書では、「文章力」をこのように定義しています。

書く前に、どうやって考えるか。
書く前に、どれだけ考えられるか。
考えたあとに、読まれる文章をどうやって書くか。

考える→書く

これさえできれば、あなたの想いや感動を
何千字でも何万字でも書けるようになるのです。

はじめに

 昨年6月、担当編集さんから「文章術について本をご執筆いただけないでしょうか?」とメールが来たとき、こう思いました。

 「死んでもやるか」と。

 「ぼくは普段、こういうことを意識して文章を書いています! すごいでしょ? あなたもこうしましょう!」

 とか言うの、この世で最もダサい行為じゃないですか。気を失うほどダサい。こんなもんただの生き恥。文章なんて100%センスで書いてると思われたいじゃないですか。

 「文章術……? なんですかそれ? いや……別に技術とか理論とかそんなんは、ないですね……あったことや思ったことそのまま言葉にしてたらなんか勝手に読まれて、文章力あるとか言われて騒がれてるだけで。てか、別に簡単でしょ文章書くのなんて……。え? 他の人ってそんないろいろ考えて書いてるんですか? うわ、すいません全然理解できないっす……笑」

 って言いたいんですよ。孤高の天才ぶりたいんですよ。

 それなのに、文章術の、本? 嫌がらせかよ。

 わざわざ「本出しませんか?」なんて声かけてくれて本当にありがたいんですけど、なんでよりによって「文章術の本」なんだよ。ネットで活動してる本名も隠したやつが出す本なんて、noteの日記そのままコピペしたエッセイかバズったポストかき集めただけの本じゃねぇのかよ、俺もラクして本出したいんですけど?

 てゆうかまず「文章術」ってなんだよ。「文章」の「術」って。気持ち悪い言葉。その言葉がすでに文章として終わってるし「面白い文章書きたい!」って思って文章術の本買うやつの文章、絶対に面白くないだろ。

 仮に「文章術」なんてもんがあったとして、知らねぇ他人に教えるわけないんですよ。そんな本読むくらい意識高いやつなんて、文章術教えてるやつにとっては「未来の競合」であり「未来の敵」じゃないですか。自分の仕事減るかもしれないのに、持ってる技をなんで他人に教えるんだよ。100年続く秘伝のタレのレシピ昨日できた新店に教えるアホなラーメン屋いないだろ。

 だから、文章術とか偉そうに言っても結局は「てにをは」を間違えないようにしましょう! とか、句読点をちゃんとした位置に打ちましょう! みたいな真似されても1ミリも問題ない、耳触りだけはいい上澄みすくったような薄い幼稚テクだけ教えて、どれだけ覚えられても絶対に自分を超えることはない「劣化俺」「劣化私」を量産してるだけ。

 そして、薄い文章術の本を読んだ読者がさらに薄まった文章術の本を書き、それをまたその読者が読み、またさらに薄まった文章術の本を書き、それをまたその読者が、

 地獄か?????

 世阿弥も言ってるんですよ「秘すれば花」って。 秘めるからこそ花になる、 秘めねば花の価値はないに等しい。

 文章術なんて全部インチキで無価値、適当こいて金欲しいだけ。それなのに「誰からも共感されるようになる文章の書き方教えます!」とか言ってくるやつ、ロクな人間じゃないだろ。人様に教えられるくらい文章上手いんだったら、今すぐ俺の目の前で1からブログ作って初記事で万バズさせてみろ。「100万PVライターが!」とか言ってるけど書いてるサイトがデカいだけなんで自慢しないでもらっていいですか? 親が偉いのを自分の力だと思ってる社長の息子みたいなこと言うな。

 もう文章術の本は世界から全て消したほうがいいですし、逆に本当に自分の手の内全部教えてるんだったら、「どうせ言ってもわからないだろ」ってめっちゃ舐められてるか、そもそも「大したことない情報」かの二択。もういっそ、世にある文章術の本一冊ずつ引用して「はい、ここ全然違います。やりなおし」ってツッコむだけの本出したろか? 腹立つマジで……。

 ……みたいな文章を書いている「かんそう」と申します。このたび文章術の本を出版させていただく運びとなりました。いきなりキレて怖かったね……。ごめんね……。

 なぜ文章術の本を忌み嫌い、軽蔑している私が本を出すのか。

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【著者】
かんそう
1989年生まれ。北海道釧路市出身。
2014年から、はてなブログにて個人ブログ「kansou」を運営し記事数は1000超、月間PVは最高240万アクセス、累計PVは5000万アクセス。読者登録数は全はてなブログ内で6位の多さを誇る。
その名の通り音楽、ドラマ、映画、ラジオ、漫画、ゲームなどあらゆるカルチャーの「感想」を常軌を逸した表現力で綴っている。
また自身の感情を爆発させた日記も人気で、「Mステの知らねぇ高校生がダンスするコーナーどういう気持ちで見りゃいいんだよ」「人生初の飛行機ファーストクラスで天国と地獄を見た」「死ぬほどサウナ入ってるのに一回も整ったことないしむしろ乱れてる」などの記事はX(旧Twitter)で数万リポストされ「Mステ」「ファーストクラス」「サウナ」のワードがトレンド入りを果たすほどの反響があった。
クイック・ジャパン ウェブ、リアルサウンド テックなどの媒体でライター活動を行うほか、TBSラジオで初の冠番組『かんそうの感想フリースタイル』のパーソナリティも務めた。