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顧客の苦情に備えて知っておきたい5段階の対処法

 ビジネスの世界において顧客からの苦情、クレームと無縁で居続けるのは難しいこと。苦情やクレームが来てから慌てるのではなく、あらかじめどのような対処法があるか知っておければ、転ばぬ先の杖となります。

『起業マインド100』より20日連続でお届け。

 14日目は「火種はすぐに消す」

『起業マインド100』(サンマーク出版)  ケヴィン・D・ジョンソン(Kevin D. Johnson)
『起業マインド100』

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著者:ケヴィン・D・ジョンソン(Kevin D. Johnson)
ジョンソン・メディア社の社長、連続起業家
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火種はすぐに消す

問題のない人間はすでに脱落している。

(エルバート・ハバード 作家、哲学者)

 ある朝、メールをチェックしていると、1件の緊急案件に目がとまった。

「ウェブサイトが落ちています。至急連絡ください」とあった。

 よくない兆候だ。長い1日になるのがわかった──そして実際、そのとおりになった。

 そのときまでは、わが社の製品に大きな問題が起こり、顧客から連絡がくることなどなかった。私はどうすればいいのかわからなかった。腹を立てた顧客に対処する方法など誰からも教わっていない。私はそれを現場で学ぶことになった。

 苛立っていたのは大手のメディア企業だった。私が起業してからわずか1年後に、この会社は思いきってわが社のウェブコンテンツ管理システム、オムニパブリッシャーの最初のバージョンを購入してくれたのだ。このソフトを使って、同社が発行する新聞のオンライン版を制作していた。オムニパブリッシャーにはサードパーティ・ベンダーを通じたウェブホスティング[サーバーの貸与]が含まれていたが、これが問題だった。

 このメディア企業がオムニパブリッシャーを購入してわずか数カ月後、同社の管理するウェブサイトが落ちたという重大なメールが届いた。どうやら、わが社と提携するウェブホスティング会社のサーバーに問題が発生し、メディア企業がサイトを更新できないようだった。さらに悪いことに、同社の読者もサイトにアクセスできなかった。サイトの訪問者が目にするのは、あの忌まわしくも恥ずかしい404エラーのページだった。

 私はただちに顧客の最高技術責任者に連絡をとり、状況に対処しているところだと伝えた。そんな電話をするのは気が進まなかった。厳しく叱責されると思ったからだ。だが結局、それほどひどくはなかった。先方からは、メールに対する私の迅速な対応に感謝されつつも、すぐに問題を解決してほしいと言われた。私は1日中、ウェブホスティング会社にサーバーの問題を解決するよう催促し続けた。

 私にできることは、ウェブホスティング会社からの連絡を待ち、譲歩案を提示して顧客との状況を緩和する以外にほとんどなかった。

 いままで感じたことのないほどのストレスだった。ウェブホスティング会社は夕方になってようやくサーバーを修理し終えた。その結果、わが社はウェブホストのプランに変更をくわえ、顧客の苦情に対処するうえで価値ある教訓を得た。

顧客の苦情への対処法5つのステップ

 最も重要なこととして、私たちは顧客からの緊急の苦情に対処する方法を形式化した。以下のシンプルな5つのステップを踏むのだ。

①落ちついてすぐに返答する
②誠心誠意で謝罪をしてから丁寧に話を聞く
③どのように問題を解決するのか、具体的な期間を定めて、詳細な計画を顧客に伝える
④問題解決の進捗状況をこまめに伝える
⑤問題が解決したら、顧客に満足してもらえたかを確認する

 このプロセスは、類似の問題に対してプロとして対処するうえで役立つだけでなく、自分の応答が有効であるのかどうかを評価するガイドラインとしても役に立つ。

苦情はしっかり受けとめる

 ビジネスにおいて、すぐに問題が解決できるというのはすばらしいことだ。問題が起こるのは避けられないが、対処すべき一番の問題は顧客からの緊急の苦情だ。

 顧客を引きとめておくためにもできるかぎり最善の方法で確実に顧客の苦情は解決すべきであり、このことはできることなら仕事をおこないながら学ぶべきものではない。

 前もって問題に備えよう。

 そうすれば顧客から突然苦情を言われるのを避けられる可能性が高くなる。

<本稿は『起業マインド100』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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