小くよ74 親切のお返しは心のぬくもり
誰かに何かをしてあげた。そのことに対してお返しを求めたくなるもの。ただ、その気持ちに気づいて優しく打ち消せたら、もっといい報酬を得られるかもしれません。
2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。
74日目は「親切のお返しは心のぬくもり」
親切のお返しは心のぬくもり
人のためになにかをする習慣をつけるのに役だつ練習がこれだ。お返しを期待せずになにかしてあげるのがどれほど簡単で快いか、これを読むとすぐわかる。
私たちは意識するしないはべつとして、なにか人のためにしたことにたいしてお返しを求めがちだ──「ぼくがバスルームを掃除したんだから、彼女はキッチンを掃除すべきだ」とか「先週は、ぼくが子供の世話をした。今週は彼女にしてもらおうじゃないか」とか。これでは「与えることは与えられること」どころか、親切に点をつけ合っているのと同じだ。
人のためになにかするときは、それをするだけで穏やかでやさしい気持ちが生まれるのに気づくはず(あなたの心が静まっていればの話だが)。激しい運動が脳内のエンドルフィンを高めて爽快な気分になるのと同様に、親切な行為は感情を豊かにしてくれる。
自分がその行為に参加したことで生まれる豊かな感情こそが報酬なのだ。お返しはもちろん「ありがとう」の言葉さえいらない。親切にした相手にそれを知られなくてもいいのだ。
この穏やかで豊かな感情をさまたげるのは、相手もなにかすべきだという自分の思い込みである。こうしてほしい、ああしてほしいとお返しを頭でもくろむと、穏やかな感情が消えていく。解決策は「お返しがほしい」という自分の思いにまず気づき、それをやさしく打ち消すことだ。そんな思いが消えたとき、穏やかな気持ちがもどってくる。
だれかのためになにかすることを思いつき、お返しを求めずにそれができるかどうかためしてみよう。どんなことでもいい。ガレージを掃除して奥さんをびっくりさせるとか、早めに帰宅して奥さんのかわりに子供の面倒をみるとか。なにも見返りを期待せずになにかいいことをしたとき、心の中がほっとぬくもるかどうか確認しよう。
この練習をすれば、そのぬくもりこそが報酬だと気づくはずだ。
<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。
【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)
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