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小くよ75 目先の問題はまたとない教師

 家庭内のトラブルが発生した。知人と喧嘩してしまった。仕事がどうもうまくいかない。上司や顧客からのクレームに悩んでいる――。

 日々生活をしていれば何らかの問題に突き当たるものです。気を取られ、気を揉まれ……。早く解決したいと思うものですが、割り切って考えてみると楽になるものです。

 2月にスタートした「Sunmark Web」の特別企画として『新版 小さいことにくよくよするな!』が説く格言を100日連続でお届け。

 75日目は「目先の問題はまたとない教師」

目先の問題はまたとない教師

 最大のストレス源は人生の諸問題だと思う人がほとんどだ。ある程度、それは真実。だが、もっと正確にいえば、ストレスの増減は問題自体ではなく問題にどう対処するかで左右される。

 言いかえれば、その問題からさらにべつの問題を引き出してはいないか、ということだ。それらを危機とみなすか、それとも教師とみなすか。

 問題は、さまざまなかたちや規模や程度でやってくるが、共通点が1つある。こんなことがなければいいのに、と私たちに思わせることだ。問題と格闘すればするほど一刻も早く消えてなくなれという思いがつのり、ストレスもどんどんたまる。

 皮肉だが幸いなことに、その逆もまた真なりだ。しかたないさ、人生にはいろいろ問題がつきものだとそれを受け入れて、思い切って教師とみなすと、肩から荷物を下ろしたような気分になれる。

 あなたがしばらく格闘している問題について考えてみよう。いままでどういうふうに対処してきた? みんなと同じように格闘して頭で何度も分析したあげく、いい解決策はなにも浮かばなかったはずだ。その格闘から生まれたものは? たぶん、さらなる混乱とストレスだろう。

 さあ、同じ問題をべつの角度から見てみよう。問題を押しやって抵抗するのではなく、それを抱きかかえてみよう。これから価値ある教訓が学べるかもしれないと自分に言いきかせてみよう。

 もっと注意深い人、または忍耐強い人になれと教えてくれているんじゃないか? 自分の欲望、羨望(せんぼう)、不注意、狭量のせいでこうなったんじゃないのか? その問題がなんであれ、そこからなにかを学ぼうとする気持ちがあれば見方が変わる。

 その視点にたって見直すと、目の前の問題が握りしめた拳を開くようにほどけていく。これをためしてみると、ほとんどの問題は私たちが思っているような非常事態ではないことがわかるだろう。そして、そこからいったんなにかを学んだあとは、たいてい問題のほうから遠ざかっていく。

<本稿は『新版 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo  by Shutterstock


【著者】
リチャード・カールソン(Richard Carlson)
心理学者。ストレスコンサルタント。ユーモアにあふれ、率直でわかりやすく、しかも誰にでも実践できそうな「くよくよしない」ヒントを提唱。著作やテレビ出演、講演多数。著書に『(文庫)マンガで読む 小さいことにくよくよするな!』(サンマーク出版)などがある。

【訳者】
小沢 瑞穂(おざわ・みずほ)

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