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同じ時間を働いて「莫大な富を稼ぐ人」と「時給だけを得る人」の決定的な大差

 1日8時間働くとして、それをはるかに上回る成果を上げられるか、それとも時間通りのリターンか。

 アメリカ・シリコンバレーで生きる伝説とされる、ナヴァル・ラヴィカントは、そのカギが「レバレッジ」にあると説きます。ナヴァルの投稿記事、ツイート、対談を集めた本『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』よりお届けします。

『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』
『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』

時間の「切り売り」を断つ──インプットとアウトプットを分断する

時間を切り売りしているようでは
リッチになれない。

 人生ではどんなときでもできる限り、賃金労働ではなく独立を選ぼう。独立して、インプットではなくアウトプットに説明責任を持つ──これをめざそう。

 人間はレバレッジのない社会で進化した。薪割りや水くみをしていたときは、8時間分のインプットが8時間分のアウトプットにほぼ相当した。

 今やわれわれはレバレッジを発明した──資本、協働、テクノロジー、生産力、こういった手段だ。

 現代はレバレッジの時代だ。君は労働者として、それほど時間と肉体的な労力をかけずに莫大なインパクトをおよぼせるように、最大限のレバレッジを効かせたい。

 レバレッジを持つ労働者は、持たざる労働者の千倍、万倍の成果を上げる。そしてレバレッジを持つ労働者にとって、仕事に費やす時間や労力よりはるかに重要なのが、「判断」だ。

生産性10倍のプログラマはもう古い。
1000倍プログラマが実在する
──ただよく理解されていないだけだ。
@ID_AA_Carmackや@notch、
サトシ・ナカモトなどを見ればわかる。

優秀なソフトウェアエンジニアは、正しいコードをさっと書いて正しいアプリをさっとつくるだけで、文字通り5億ドルの価値を会社に提供できる。

 10人のエンジニアがその10倍の労力を費やしたとしても、間違ったモデルや間違ったプロダクトを選び、間違った方法でコードを書き、間違ったクチコミ戦略を利用すれば、その時間はすべて無駄になってしまう。

 とくにレバレッジを持つ労働者は、ほんのわずかなインプットで莫大なアウトプットを生み出せるんだ。

 君が人生に望むこと、それは自分の時間を自分の手に取り戻すことだ。

 君は自分の時間をコントロールでき、アウトプットで評価されるような、レバレッジの効く仕事に就きたい。

 君が事業を前進させるようなすばらしい仕事をすれば、彼らは君に見返りを与える必要がある。とくにその仕事が、君のこだわりやスキル、生まれつきの才能を活かしたものなら、彼らはそれをやる方法がわからないから、君にその仕事をさせるために見返りを与えつづけなくてはならない。

 君に特殊知識と説明責任、レバレッジがあれば、君の価値にふさわしい報酬が手に入る。そして君の価値に見合う報酬が手に入れば、君は自分の時間を取り戻せる。時間を超効率的に使える。形だけの会議も、仕事がデキるアピールも、働いているふりも必要ない。実際の仕事のことだけを考えていればいい。

 仕事だけに集中すれば、生産性も効率性もグッと高まる。気分が乗ったときや気力が充実しているときだけ働いて、そうでないときに無理して働かなくていい。自分の時間を取り戻せるんだ。

週40時間労働は
産業革命時代の遺物だ。
知識労働者は
アスリートのように働く
──訓練と全力疾走、
それから休息と再分析だ。

 たとえば営業、とくに最高級品ハイエンドの営業を考えてみよう。もし君が普通の住宅を販売する不動産業者なら、それは必ずしも望ましい仕事とは言えないね。競争が激しすぎる。

 でも、もし君が自分を売り込むノウハウと住宅を売るノウハウを持つ一流の不動産業者なら、普通の業者が10万ドルのアパートやマンションを売ろうと四苦八苦する時間の10分の1で、500万ドルの豪邸を売ることだってできる。不動産業は、インプットとアウトプットが分断された仕事の一例なんだ。

 プロダクトをつくる仕事と売る仕事も、この説明に当てはまる。実際、それ以外にやるべき仕事なんてないだろう? 必ずしも望ましくないのは、顧客サービスのような支援業務だ。顧客サービスは、残念ながらインプットとアウトプットがかなり連動していて、働いた時間で評価されるからね。

 インプットとアウトプットを分断するのが、ツールとレバレッジだ。また、創造的要素が多い仕事ほど、インプットとアウトプットが分断していることが多い。

 インプットとアウトプットが密接に連動する仕事をしているようでは、富を生み出し、その過程で自分の富を獲得するのはとても難しい。

<本稿は『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』(サンマーク出版)』から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者紹介】
エリック・ジョーゲンソン(Eric Jorgenson)
プロダクト・ストラテジスト、作家

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