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あなたを邪魔する他人が何をどう言おうと、あきらめる必要は全くない

 新たな1年が始まりました。

「今年こそ」と思って新たな目標を立てたり、何かを始めようと考えたりしている人も少なくないでしょう。

 一方で、それを周囲に話した時に、懸念や反対の声が聞こえてくることがあります。

「今じゃないほうがいい」「そんなの無理だ」「もう少し考えたら」――。特に家族や親しい友人からの「待った」は私たちの決意を揺るがせます。

 なぜ身近な人々が目標達成を妨げようとするのでしょうか。そして、その声とどう向き合えばいいのでしょうか。『新版 自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』よりお届けします。

『新版 自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』 (サンマーク出版) 書影
『新版 自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』

夢は誰にも奪わせてはいけない

 目標を達成しようとするとき、いちばん大変なのは、計画をやりぬくことだ。

 目標を決め、期限つきで計画を立て、「さあ、やるぞ」と宣言する。そこへ突然、いろいろな人が──とくに親戚や友人なんかが押し寄せてきて「待った!」をかける。

 その言い分たるや、こうだ。

「その年になって」「まだ若すぎるよ」「そんなに太っているのに」「そんなにやせているのに」「危険すぎる」「時期が悪すぎる」「今は不景気なのに」「そんなお金がどこにあるんだい」「まだ経験が足りないよ」「インフレなのに」「デフレなのに」「よほどの才能がなきゃ無理だよ」「君みたいな不精者にはちょっと……」「頭がおかしくなったんじゃないか?」

 彼らが本当に言いたいのは、こういうことだ。

「なぜ今になって、そんなことをしたいと思ったんだい?」

「そんなところへ行ったら・そんな仕事を始めたりしたら・そんな大きな町へ行ったら・そんな道に進んだら・そんな国に行ったら、病気になるよ・死んでしまうよ・けがをするよ・だまされるよ!」

「今は無理なんじゃないか、結婚しているのに・離婚してしまったのに・独身なのに・お金がないのに・せっかく何もかも順調なのに・問題を抱えているのに・大きな借金があるのに・ほかにやるべきことがあるのに・家族がいるのに」

「もし失敗したら、誰があなたのパートナー・奥さん・ご主人・子どもたち・犬・病気のおばあさんの面倒をみるの? 家・仕事はどうなるの?」

 誰に何と言われても聞き入れないと、今すぐ決心しよう。

 後先も考えずに行動していいとか、無用なリスクを取れという意味ではない。前へ進もうとすれば、どんな行動を選んでもリスクはついてまわる。決断する前には、情報を集めて十分に考えよう。

 しかし、夢は誰にも奪わせてはならない。

 自分の夢を追いかける勇気がない人は、つねに他人にも夢をあきらめさせようとする。そんな意気地のない人に言い負かされて、自分が目指している目標は大きすぎるのではないかと、尻込みしてはいけない。自分に少しも不安を感じさせないような目標は、あえて挑むほどの目標ではない。

夢を打ち明ける相手は選ぼう。
夢を話していいのは、
本当に心配してくれる
わずかな人だけだ。
それ以外の人は、
単なる野次馬である。

★他人があなたを邪魔する「3つの理由」とは?

 他人が──友人や、とくに親戚が、目標を思いとどまらせようとしてくる理由は、大きく分けて3つある。

①    心配してくれている

 純粋に心配してくれている。お金を無駄に失わないか、健康を損なわないか、むざむざ何かのチャンスを失うのではないか、人生で大きな後退を強いられるのではないかと、気にかけてくれている。

「アフリカへ救援活動に出かけるなんて。危険な動物やクモや蚊がいるし、テロリストに襲われたら殺されてしまうかもしれないのに」

②    嫉妬している

 あなたが目標に挑もうとしている姿を見て、自分が人生でほとんど何も成し遂げていないことを実感してしまった。この場合、思いとどまらせようとして言ってくる内容をよく聞くと、それはこちらに言っているように聞こえるが、実はその人が何もしないことの言い訳であることがわかるはずだ。

「今の時期に新しい事業を始めるのは危険だよ。子どもたちを養わなければいけないし、住宅ローンだってあるし、不景気だし、従業員だって守らなければいけないんだろう。もう少し状況が改善するまで待つべきだよ」

③    引け目を感じている

 心躍るような新しい目標を決め、それを目指そうとすると、周囲の人はあなたに引け目を感じたり、自分自身の人生をつまらないもののように感じてしまったり、それまで達成したことの少なさに自信を失ってしまったりする。

「キリマンジャロに登る? そんなことをして何になるんだい。ほら、ドーナツをもう一つ食べろよ」

 ある目標の達成を目指そうとすると、純粋に心配する気持ちから、あるいは身勝手な理由から、あるいはあなたに言うことを聞かせようとして、邪魔してくる人は実に多い。

 だから、何と言われようと、何をされようと、どう思われようと、それを振りきって計画をやりぬくというのは最後の難関だ。

 心配してくれたり、興味を持ってくれたりする相手に感謝し、その気持ちに対して(必要なら)愛情の表現を返すのはいい。だが、何をしようとしているのか、なぜそうするのかについては、あくまでも自分の主張を繰り返そう。

 それでもまだ、やめさせようとしてくるかもしれない。そのときは、もう一度心からありがとうと言い、あとは説明抜きで自分の目標は変わらないと言いつづけるしかない。

 あなたが達成しようとしている目標について、真に価値ある提案をしてくれるのは、同じことをすでに成し遂げた人か、成し遂げようと奮闘している人だけだ。それ以外の人は、せいぜいその人自身が自分の状況のなかでならどうするかを言ってくれるぐらいが関の山だろう。

 どんな結果になろうが関係がない他人のアドバイスに従って決断するようなことは、絶対にしてはいけない。

自分の人生の物語を
書いているとき、
他人にペンを
持たせてはいけない。

★そこであきらめていれば、あの「世界的ヒット」はなかった

 目標に到達するための道を歩きはじめようともしない人が多いのは、失敗するのがこわいからである。だが、成功したいなら、失敗は不可欠だ。

 どんなことでも、最初に失敗を繰り返すことなく成功した人はほとんどいない。勝者とは、決して失敗しない人ではない。決してあきらめない人のことをいう。

 あきらめてしまえば、自分が何を間違えたのかは絶対にわからない。間違えるからこそ、どうすればうまくいくのかがわかる。

 ボクサーは、ノックダウンされたから試合に負けるのではない。もう一度立ち上がらないから負けるのだ。

名人とは、初心者が挑戦した以上に何度も失敗を経験した人だ。

ジグ・ジグラー(アメリカの作家、自己啓発活動の講演家)

 J.K.ローリングが出版社に作品を持ちこんだとき、最初の10社であきらめていれば、ハリー・ポッター・シリーズはこの世に生まれてこなかった。

 ハワード・シュルツが事業への出資を依頼してまわったとき、242社の銀行や融資会社に断られた時点であきらめていれば、現在のスターバックスは存在しなかった。

 ウォルト・ディズニーがテーマパークへの出資を300社以上から断られたとき、そこであきらめていれば、ディズニーランドはできなかった。

どん底まで落ちたから、
そこにしっかりと根を張って人生をやり直すことができたのよ。

J.K.ローリング

★「言うことを聞かせようとしてくる人」をかわす方法

 目標の達成を邪魔しようとする人や、あなたを思いどおりにしようとする人を相手にしなければならないときに使える、簡単で効果絶大なテクニックを紹介しよう。

 どんな意見にも同意できるところはあるものだし、少なくとも相手にも意見を言う権利はある。たとえその意見が、どんなに見当はずれで根拠がなく、こちらを巧みに言いくるめようとしているように思えても。

*テクニック①:真実には同意する

 批判的な意見を言われたときに、もっとも効果的なのは、相手が話すことのうち真実には同意し、そのうえで自分の意見はしっかりと押し通すことだ。

▼例その1

母親:「アフリカへ働きに行ったりしたら、命取りの病気にかかって死んでしまうかもしれないのに」

娘:「たしかに、そうかもしれないわ。でも、どうしても恵まれない人たちを助けたいの──一刻も早く」

娘は、母親の話のなかの真実には同意したが、その一方で、自分の意見は曲げていない。

▼例その2

スー:「会社をやめるべきじゃないと思うわ、ブランドン。あなたは会社の重要人物なんだし、やめなければ、景気が悪くなっても仕事に困ることはない。でも、独立して事業を始めたりしたら、何の保証もなくなるのよ」

ブランドン:「まったく君の言うとおりだよ、スー。何の保証もない。でも、うまくやれると思うし、実はこんなチャンスがくるのを、ずっと待ってたんだ」

 ブランドンは、スーの言うことは真実だと同意した。スーとは言い争わず、彼自身のこともスーのことも、一言も悪く言っていない。それでいて、けんか腰になることなく自分の意見を押し通した。

 普通なら相手に「黙れ」と、どなってしまいそうな場面でも、余計なことを言ったり、悪態をついたりせず、相手の意見に同意したうえで自分の意見をしっかりと主張すれば、誰もいやな思いをしたり、傷ついたりせずにすむ。

*テクニック②:相手にも意見を言う権利はあると認める

 批判的な意見を言われたとき、意見そのものには同意できなくても、たいていの場合は相手にも意見を言う権利があると認めることはできるだろう。ただ、その意見がとてもばかばかしく思えてしまう可能性はある。

▼例その1

デイブ:「家を売って、小さい部屋二つを買ったりしたら、今みたいに居心地よく住むなんてできないぞ」

モニカ:「そう思う気持ちはわかるわ、デイブ。でも、私は30歳になるまでに大金持ちになりたいの。そのためには、どうしても必要なことなのよ」

▼例その2

リアンヌ:「どうしてマツダの車が欲しいの、グレン? トヨタの車のほうがいいと思うわ」

グレン:「君がそう言うのはわかるよ、リアンヌ。そのとおり。トヨタの車は最高だ。でも、マツダの車の感じのほうが、何となく好きなんだ」

 グレンもモニカも、相手に意見を言う権利があることは認めている。グレンは、相手の意見は正しいとまで言っている。だが、二人とも自分の意見を変えず、それでいて相手の気分を損ねたりもしていない。

 誰かに意見を言われたとき、その意見にはまったく賛成できなくても、にこやかに接しながら、自分の考えは変わらないと主張する方法は必ずある。意見に同意できなくても、むやみに相手の気持ちを傷つけないように、つねに心がける必要がある。

あなたの夢を
「ばかな夢だ」と言われたとき、
世の中にはプールヌードル
(色とりどりの変形自在な浮きポール)
を発明した
大金持ちがいることを思い出そう。

<まとめ>

 成功する人とそうでない人の違いは、「行動するかしないか」にある。

 成功する人は、行動を始めたばかりの段階では、うだつがあがらないかもしれない。しかし、前進しつづける。そして、周囲の人たちに「そんなことはやめたらどうだ」と言われても、決してやめない。

 目標に向かって歩みはじめると、気のいい友人や親戚がやめさせようとするのは、愛情からかもしれない。嫉そねむ気持ちからかもしれない。あるいは、行動するあなたを見て劣等感を抱きたくないからかもしれない。

 背後から何を言われても気にしてはいけない。それは、あなたがその人たちよりも二歩先を行っていることを意味する。引きずり下ろそうとしてきたら、それはあなたが、その人たちよりも上にいることを意味する。批判がましいことを言われたくなければ、何もせず、何も言わない、取るに足りない存在でいつづけるしかない。

 目標を決め、期限つきで計画を立てたら、最初の一歩を踏み出して前へ進もう。他人にどう思われ、何を言われ、何をされようと。

階段を上って人より上に立てば、
必ず非難の集中砲火を浴びる。

 誰に対してもにこやかに接するようにしよう。どんな意見を言われても笑顔で耳を傾け、むやみに相手の気分を損なわないほうがいい。

 真実を言われたら同意すればいい。相手の言い分にも同意できるところはあると思ったら、口に出してそう認めよう。うなずいて「そうだね、そのとおりだ」「君の意見には賛成だよ」と言えばいい。

 どんなにばかばかしく思える意見を言われても、少なくとも、相手にも意見を言う権利があることは認めよう。そんなふうに思う気持ちはわかるよと認めて、それでもなお、自分が信じることは何度も繰り返し主張すればいい。

 言い争ってはいけない。正しい意見を言っても、言い争いで何かを得られることなど、ほとんどない。友人や信用を失い、争いを好む人に火種を与えるだけだ。

 ブタと争ってはいけない。泥にまみれるだけだ。

<本稿は『新版 自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by shutterstock


【著者】
アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ(Allan Pease Barbara Pease)
講演家、作家
ビジネスにおける人間関係を語る第一人者として、数々の著書を執筆。18冊がベストセラー入りし、そのうち10冊がベストセラー第1位を獲得。セミナーも毎年30か国にのぼる国々で開催している。日本でも『話を聞かない男、地図が読めない女』『嘘つき男と泣き虫女』などが大成功を収めた。100か国以上で出版され、55の言語に翻訳された著書の累計発行部数は3000万部を突破。各国の多数のメディアにも登場する。夫妻の著作をもとにテレビ番組9シリーズ、舞台4作、映画1作が制作されており、なかでも映画は観客動員総数が1億人を超えるヒットを記録した。

【訳者】
市中芳江(いちなか・よしえ)

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