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相手をほめるのが抜群にうまい人が持っている、たった2つの秘策

 対人関係において、相手に「自分は重要な人間だ」と思わせるのは他人とうまくやっていくために必要なことの一つ。そのためには「本音」でほめましょう。人間関係に関する実用的なテクニックをまとめた『他人とうまくやっていく』よりお届けします。

『他人とうまくやっていく』

「本音」でほめる

 人をほめると、相手から共感力と理解力のある魅力的な人に見られやすいということが研究でわかっています。ですから、大いにほめましょう。パートナー、同僚、部下、上司、会ったばかりの人、お客さん、クライアント、郵便屋さん、庭師さん、子どもたち。その全員をです!

 どんな人にでも、何かしらほめる点は見つかるものです。たとえそれが、あなた自身にとっては取るに足りないことだとしても。「あなたは特別だ」と相手に伝える努力を続けていれば、必ず、まったく新しい世界が目の前に開けることでしょう。

 ほめ言葉の中でも、いちばんよく使われるのは「ストレート&ポジティブ型」のほめ言葉です。これは、相手の「行動」「外見」「持ち物」について、あなたがいいなと思ったことをストレートに伝えるものです。

 たとえば、こんな感じです。

行動 ── 「人に教えるのが上手だね」
外見 ── 「すてきな髪型ね」
持ち物 ── 「いいお庭ですね」

 この3つの中でも、相手の「行動」をほめる言葉が、いちばん説得力があるとされています。ですが、次のふたつのテクニックを使えば、どのほめ言葉もいっそう強力な効果を発揮するようになります。

❶ 相手の名前を呼ぶ

 会話の途中で相手の名前を呼ぶと、相手の関心レベルが高まり、続く言葉を熱心に聞いてもらえるようになります。ここぞというほめ言葉の前には、まず相手の名前を呼びましょう。メッセージが相手にぐっと届きやすくなるうえに、相手の記憶にも残りやすくなります。

❷ 「どこが」「なぜ」いいのかを伝える

 ほめるのがヘタな人の多くは、「どこが」いいのかを伝えるだけで、「なぜ」いいのかを説明しません。ほめ言葉の効果は「本音感」のあるなしに左右されます。「どこが」いいのかを伝えただけでは、相手に社交辞令と思われてしまい、逆効果になりかねません。ほめるときは、必ず「なぜ」を説明するようにしましょう。こんな感じです。

行動 ── 「アラン、きみっていい先生だよね。なぜって、生徒一人ひとりをよく見ているからさ」
外見 ── 「スー、その髪型すてきね。なぜって、あなたの目がぐっと引き立って見えるもの」
持ち物 ── 「ジョン、すごく美しい庭だね。なぜって、まわりの景色と完璧に調和しているじゃないか」

「名前の呼びかけ」をマスターして、相手の「どこが」「なぜ」いいのかを伝えるようにすれば、あなたのことも、あなたの言葉も相手の記憶に残ることでしょう。ただし、本心ではないほめ言葉は決して言わないこと。お世辞は簡単に見抜かれます。お世辞とは、相手が想像しているとおりのほめ言葉を、工夫なしに伝えることです。

「第三者型」のほめ言葉とは

 最終的にある人の耳に入ることを狙って、別の相手と話しているときにその人をほめるのが「第三者型」のほめ言葉です。これは、ターゲットが声の届く場所にいるときに使うこともあれば、その人の親友やうわさ好きの知り合いなど、話の内容を伝えてくれそうな相手に向かって使うこともあります。ほめ言葉は、一対一で伝えられるよりもオープンな場で聞いたほうがうれしく感じられるものですし、信頼性もぐっと増します。

「また聞き型」のほめ言葉とは

 相手の行動、外見、持ち物について別の誰かがほめていたことを、そのまま相手に伝えるのが「また聞き型」のほめ言葉です。

 たとえばこんな感じです。

「やあボブ。ジョンに聞いたんだけど、きみはこのクラブで一番のプレーヤーらしいね。だって、誰もきみに勝てないそうじゃないか。ぜひ秘訣(ひけつ)を教えてくれよ」

 ビジネスで相手に面談を申し込みたいときは、電話でこんなふうに言ってみるといいかもしれません。

「ジョンソンさん、あなたはこの街で最高の会計士だそうですね。必ず結果を出す方だと聞きましたが、そうなのですか?」

 こうした問いかけは場の緊張感をやわらげ、相手の態度をなごやかにする効果があります。

「ほめられる」技術

 自分がほめられたときは、次のように対応しましょう。

① すなおに受け取る
② お礼を言う
③ 心から喜んでいることを伝える

 たとえばこんな感じです。

カイリー ── 「アン、あなたの車すてきね」
アン ── 「ありがとう、カイリー。ちょうど今朝、洗ってワックスをかけたの。気づいてくれてうれしいわ!」

 ほめ言葉をすなおに受け取ると、ポジティブなセルフイメージを持っていることが相手に伝わります。逆に、ほめ言葉を否定してしまうと、相手のことまで拒絶したように受け取られがちです。

 さっそく今日から、毎日3人を、何かしらの理由でほめる習慣を始めてみましょう。相手の行動、外見、持ち物、何をほめてもかまいません。そして、相手のリアクションを観察しましょう。あなたもすぐに、人にほめられるより、人をほめるほうが大きな満足感を得られることに気づくはずです。

<本稿は『他人とうまくやっていく』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by shutterstock


【著者】
アラン&バーバラ・ピーズ
Allan & Barbara Pease

アラン・ピーズはボディ・ランゲージの世界的権威。妻バーバラとの共著『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)は、55の言語に翻訳される大ベストセラーに。バーバラ・ピーズは、ピーズ・トレーニング・インターナショナルのCEOとして、各種ビデオの制作やトレーニング講座の運営、世界各国の企業・政府向けセミナーの開催などを手がけている。

【訳者】
藤田美菜子(ふじた・みなこ)

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